追悼 加藤一郎さん(太極拳のまち喜多方市初代担当課長)
追悼
【掲載:2011年12月15日】
元福島県喜多方市高齢福祉課課長の加藤一郎氏は,かねてより病気療養中のところ,11月20日早朝に亡くなられた。享年62歳。謹んでご冥福をお祈りいたします。
周知のように,喜多方市は2002年10月に同市で開催された「ねんりんピック太極拳交流大会」をきっかけに,当時の白井英男市長が先頭に立って太極拳によるまちづくりの取組みを始めた。翌2003年3月には地方行政としては日本で初めて(世界で初めて?)の「太極拳のまち宣言」が行われた。同市の高齢福祉課に「太極拳のまち推進係」が設置され,加藤氏は,同課の課長として,初代の太極拳のまち担当課長となられた。
氏は太極拳事業の推進にあたって,介護予防太極拳体操など様々な企画に敏腕を発揮された。また,親しみの持てる人柄で,日本連盟や東北各県連盟などの多くの人から,加藤さん,加藤さんと慕われた。ご自身は太極拳2級を取得され,宴会の席などで,口笛で黒田節を吹きながら24式太極拳を演じるユーモアを持っておられた。
日本連盟は2004年4月,北京から孔祥東コーチを招請して,東北巡回講習を始めた。そのなかで,喜多方市での太極拳の普及を進めるために,孔コーチを,喜多方市に定期的に派遣した。来日後まもない時期で,日本の生活習慣に慣れていない孔コーチを加藤氏のご一家に家族同然に温かく受け入れていただいた。孔コーチにとっては,日本で最初の恩人であった。
加藤氏の残した足跡は,2代目,3代目の高齢福祉課長に引き継がれ,「太極拳のまち」事業は喜多方市でしっかりと継承されている。
私たちは,加藤さんの面影と足跡を心に刻んで,喜多方太極拳とともに歩みます。重ねて,心よりご冥福をお祈りします。また,ご家族のご健勝をお祈りいたします。
(日本連盟事務局長 石原泰彦)