【訃報】大塚忠彦東京都武術太極拳連盟理事長が11月27日に逝去
【掲載:2012年12月17日】
訃 報
大塚忠彦東京都武術太極拳連盟理事長が逝去
NPO法人東京都武術太極拳連盟の大塚忠彦理事長が11月27日亡くなられた。72歳。
通夜は11月30日夜,東京都中央区の京橋プラザ・コミュニティールームで,告別式は12月1日,同会場で執り行われた。喪主は妻,大塚かづ子様。
通夜と告別式当日のいずれも,1000人を超える多数の会葬者が長蛇の列となり別れを惜しんだ。東京都連盟加盟団体の役員,会員や各県連盟の関係者など多数の弔問者が訪れて,故人の遺徳を偲んだ。
日本連盟から供花とともに村岡久平副会長・専務理事,岡﨑温常務理事と石原泰彦理事・事務局長および事務局員らが通夜と葬儀に参列した。
日本武術太極拳連盟理事も務めた大塚氏は,東京都連盟発足(1990年5月)当時から同連盟の事務局長を務められ,都連盟の組織体制を確立することに尽力された。NPO法人東京都連盟は2010年4月に(財)東京都体育協会に加盟を果たした。これも大塚氏の尽力がなければ,達成できなかったであろう。
来年2013年の国体は東京を会場に開催され,デモスポ競技・太極拳は大塚氏の地元,中央区総合スポーツセンターで行われる。開催を目前に控え誠に残念である。
特筆すべきは,東京体育館を会場に開催してきた第11回全日本武術太極拳選手権大会(1994年)から今年の第29回大会まで一貫して大会主管団体の責任者として,東京都連盟の多くのスタッフをまとめ,各大会の円滑な運営のために常に尽力されてきたことである。
大塚氏の公正で分け隔てのない性格は多くの人から敬愛された。
ご家族の方々に心よりお悔やみ申し上げ,ご冥福をお祈りいたします。
私たちの太極拳運動のかけがえのない同志であった大塚忠彦さんが逝かれた。多くの人とともに,謹んで哀悼の気持ちを表したい。
大塚さんは,正義の人,誠意の人,人情の人であった。東京都中央区で区議会議員を8期32年務められ,空手道剛柔拳舎の主宰者として多くのお弟子さんを育てられた。
そのなかで,奥様の大塚かづ子さん(日本連盟本部講師)とともに,太極拳に関わられた。1990年に東京都武術太極拳連盟を立ち上げるにあたって,首都圏で日本の太極拳の草分け的な団体が数多くあるなかで,これらを東京都連盟としてまとめあげられた。
都連盟のもとに,都下の各区連盟,市連盟の組織化を援助することに力を注がれた。そして,各団体の指導員を糾合して都連盟の指導員体制を作りあげてこられた。
大塚さんは,太極拳が広く社会に貢献するためには,公私を区別し,公(おおやけ)の観点を優先すべきとの信念を持たれ,公明正大に振る舞われて,ご自身は無私であった。
空手道を通して,太極拳の真髄への尊敬の念を抱かれ,武道への情熱を持ち続けてこられた。ご自身の情熱に対して誠実であられた。
また,東京下町育ちのざっくばらんな人情家として,会員や団体の指導者に温かく接してこられた。そして,多くの人達に慕われた。大塚かづ子さんは喪主として,会葬者への謝辞のなかで,”主人は,名誉やお金よりも,人と人のつながりを何よりも大事にして生きてきました”と述べられた。
言葉を巧みに使う人ではなく,誠実にご自身の生きる道を貫く武道家であられた。その大塚さんによって,私たちは「太極拳をする者の幸せ」をたくさん分け与えていただいた気持ちがする。
心より大塚さんに感謝いたします。ありがとうございました。
私たちは皆で,大塚さんが生きられた姿を心に銘記して,武術太極拳の道を歩みたいと思います。
大塚さん,どうか安らかにおやすみ下さい。そして,大塚さんを最後まで支えてこられたご家族の,ご健勝をお祈りいたします。
公益社団法人日本武術太極拳連盟理事・事務局長
石原泰彦