「2014年全日本武術太極拳競技会」(東京・江戸川区総合文化センター)初めてのホール舞台での開催は大成功
観客約1000人が国内トップクラス33選手の演武を満喫 中国のトップ選手の演武も披露
【掲載:2014年05月15日】
(公社)日本武術太極拳連盟(二階俊博会長)は4月29日(火・祝),東京・江戸川区総合文化センター・大ホールで「2014年全日本武術太極拳競技会」を開催した。競技会には日本連盟選手強化委員会が指名した強化指定選手33人(男子20人,女子13人)が新国際競技ルールに基づく「自選難度競技」12競技種目に出場した。
この競技会は例年2日間の日程で東京・日本連盟本部研修センターを会場として実施されてきたが,観覧席が少ないことなどを解消するためにも,今年は新しい試みとして公共施設の大ホールでの1日のみの開催となった。会場の江戸川区総合文化センター・大ホールの収容人数は1階,2階合わせて1500席。今回は1階の観客席のみを使用し,1階をほぼ埋めた1000人の観客は次々に展開されるトップレベルの試合を存分に堪能。江戸川区の地元市民も数多く来場した。
これに合わせて,日本連盟では中国から武術代表団(コーチ3人,選手2人)を招いて,中国トップ選手による太極拳・長拳の特別演武を披露してもらった。また例年のように競技会翌日から5月4日までの5日間にわたって,日本連盟・本部研修センターで春季強化合宿が行われ,競技会に出場した選手とジュニア選手,合わせて28人に役員・コーチ13人と中国武術代表団5人が合同強化訓練に参加した。代表団一行は5月5日に帰国した。
難易度と美しさを兼ね備えた演武で観衆を魅了
開会式では主催の日本連盟村岡久平副会長・専務理事の開会挨拶に続いて,共催の江戸川区武術太極拳連盟の島村和成会長が歓迎の挨拶を行った。来賓を代表して多田正見東京都江戸川区長が祝辞を述べた。
西村誠志競技会総審判長の競技上の諸注意説明に続いて,審判団が紹介された。
午前の競技は男子南棍からスタート。女子南刀,長拳短器械(刀術・剣術)と太極剣の器械種目が午前に,午後には南拳,長拳,太極拳の徒手種目が行われた。
午前・午後の競技終了後には中国武術代表団の2選手による特別演武会(長拳,太極拳の器械・徒手)が行われ,ハイレベルな演武に会場からは歓声とため息が聞こえた。2選手とも中国国内の長拳・刀術・棍術,太極剣・太極拳のチャンピオンというトップ選手。午後の競技終了後には中国選手の特別演武のほかに,日本選手チーム(太極拳・太極剣の男女各3人)による特別集団演武が行われた。参加したのは内田愛,佐藤直子,齋藤志保,荒谷友碩,藤沢佑,村上僚の各選手。
全ての競技と特別演武終了後に表彰式が行われ,各種目3位までの入賞者を代表して内田愛選手(女子太極剣1位・女子太極拳1位)と市来崎大祐選手(男子長拳短器械1位・男子長拳1位)が岡﨑温・日本連盟常務理事からメダルと賞状を受け取った。
閉会式では村岡久平副会長が「今回の競技会はホール舞台での開催という新たな試みでしたが,競技会の緊張感とショーとしての高いパフォーマンス性を同時に経験できるという観客席の皆さんにとっても,選手たちにとっても新しい経験として大成功だったと感じています。また,さきほど日本選手6人による太極拳集団演武が披露されましたが,今年11月に『第1回世界太極拳選手権大会』が中国・四川省成都市で挙行されることになり,その正式種目として『集団』種目が実施される予定です。武術太極拳の世界がこうしてさらに広がっていきます。皆さんで力を合わせましょう。本日は選手諸君,審判団,スタッフの皆様,観客の皆様,中国代表団の皆様,ありがとうございました。また来年お会いしましょう」と挨拶して,今年の競技会を締めくくった。
来年の競技会は今年と同じ会場で開催の予定。
厳 平北京武術隊 総高級コーチ
李 強福建省武術隊 高級コーチ
何 強広東省武術隊 高級コーチ
王 曦北京武術隊 長拳選手 国級健将
陳洲理福建省武術隊 太極拳選手 健将
*国級健将:中国が授与するスポーツマンの最高の称号