「第25回全日本武術太極拳選手権大会」 盛況!! 7月11日~13日

出場選手1699人、観客2万人近く 「北京武術トーナメント」
日本代表選手決まる 2008.7.11~13 東京・千駄ヶ谷

【掲載:2008年08月15日】

 日本連盟主催の「第25回全日本武術太極拳選手権大会」が7月11日~13日の3日間、東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催された。東京都連盟の主管によるもので、文部科学省、(財)日本オリンピック委員会、(財)日本体育協会、東京都、朝日新聞社、日刊スポーツ新聞社、(財)笹川スポーツ財団、NPO法人日本ワールドゲームズ協会、(社)日中友好協会、アジア武術連盟の後援。協賛企業は日本航空、ミズノ、アシックス、大塚ベバレジの4社。

 今大会は北京五輪期間中に実施される「2008年北京武術トーナメント」の日本代表最終選考(日本の代表枠5種目各1人)を兼ねて実施され、大会終了後に套路日本代表選手5人が発表された。

● 個人・集団に1699人が出場
 6競技部門・37種目で行われた今大会にはシード選手をはじめ全国からの精鋭1699人が出場、日頃の鍛錬の成果を発揮し、3日間にわたり熱戦を繰り広げた。
 観客入場数は1日あたり6000人以上、3日間で2万人に達した。大会運営は例年通り、東京都武術太極拳連盟が担当し、大塚忠彦理事長はじめのべ370人が会場設営などに汗を流した。
 大会期間中、落合卓四郎日本体育大学学長をはじめ駐日中国大使館、駐日アンゴラ共和国大使館、日中友好協会、東京オリンピック招致委員会、「太極拳のまち」喜多方市、太極拳振興国会議員連盟などから多くの来賓が観戦に訪れた。
 「第25回全日本選手権大会」の模様は7月21日、NHK衛星BS1で全国放映され、さらに24日に再放送された。

● 加藤勝信副会長が開会宣言
 大会初日朝の開会式で、加藤勝信日本連盟副会長が「いよいよ北京オリンピック直前。この大会は北京武術トーナメント日本代表が最終決定される大事な一戦。皆さんの健闘をおおいに期待します」と挨拶し、開会を宣言した。
 西村誠志大会総審判長の競技上の注意事項説明と大会審判団紹介に続いて、東京体育館のコート6面で競技が開始された。

● 今年から新競技部門「規定難度套路」が登場
 「普及用長拳」、「ジュニア太極拳」などの套路が普及して、ジュニア選手の数が年々増加している。ジュニア選手に過度な負担をかけないで安全に、段階的に難度動作の訓練をしてゆき、将来「自選難度競技」を行なうための基礎を作ることを目的として作られた「規定難度套路(太極拳、南拳、長拳)」が今大会から競技種目として実施された。
 男女のジュニア選手が、太極拳に17人、南拳に5人、長拳に40人で合計62人出場して、全日本選手権大会で初めての競技が行なわれた。
 このようにジュニア選手のための「規定難度套路」を開発したのは、日本が初めてのことであり、今後のジュニア選手層が着実に基礎を身に付け、実力を養ってゆくことが大いに期待される。

● 自選難度太極拳は音楽伴奏付きで 高い技術力・表現力で大観衆を魅了
  「北京五輪武術トーナメント」日本代表最終選考会として例年にもまして注目を浴びた今大会の自選難度競技は「徒手」と「器械」の2部門が2日間にわたって実施され、選手強化委員会の指定を受けた男女選手26人が出場した。
 自選難度の太極拳種目は今年から音楽伴奏付きで行われ、高度な技術と表現力で観客の目を釘付けにした。

●「北京武術トーナメント」最終選抜で白熱した競技、圧巻の勝負
 8月21~23日に北京オリンピック開催期間中に実施される「2008年北京武術トーナメント」に、日本は套路競技5人と散手競技一人の出場権利を、昨年11月に北京で実施された「第9回世界武術選手権大会」で獲得していた。そのうち、套路競技5人については、本大会で代表選手の最終選考をあらためて実施した。対象となる自選競技種目の選手は、この日のために厳しい訓練を積み重ねてきた。なかには、1カ月近く中国で集中訓練を受けたうえで、全日本選手権大会に臨んだ選手もあった。

 大会第2日目に、自選難度器械種目が、また、最終日に自選難度徒手種目が行なわれ、いずれの種目でも、最後の決戦に挑む選手によって白熱した競技が展開された。なかでも、男子南拳、男子長拳は、有力選手に挑戦する選手達によって、難度動作にノーミスで、気迫に満ちた演技が繰り広げられ、高得点のラッシュとなった。
 男子南拳では、昨年の世界選手権大会で上位入賞して、8月北京大会の出場権を勝ち獲った松浦新選手を、中田光紀選手が追い上げて逆転し、代表選手の座を勝ち獲った。

 男子長拳では、最有力と目される市来崎大祐選手に対して、各選手が激しく追い上げ、難度動作のノーミスと演技点での高得点が続いた(下村有輝選手=9.71、白枝将司選手=9.75)。演技順の最後であった市来崎選手は、この状況を満身に受け止めて、緊張をものともせずノーミスの完璧な演技で9.83を挙げ、代表の座を確定した。これらの種目の白熱した戦いに魅了された大観衆から、代表に選ばれた選手にも、選ばれなかった選手にも、熱い拍手が送られた。
 「2008年北京武術トーナメント」を目指して厳しい訓練を重ねてきた選手達が見せた圧巻の勝負であった。

● 入賞選手に賞状とメダルを授与 来年の選手権シード選手決定

 各種目の入賞選手には順次、賞状とメダルが日本連盟役員から手渡され、大会参加者全員に記念品(大会プログラム)が贈られた。来年の「第26回全日本武術太極拳選手権大会」シード選手は今大会の入賞選手から指定された。
 最終日の自選難度競技の表彰式に続いて、閉会式が行われ、村岡久平日本連盟副会長がすべての選手の健闘ぶりを称え、大会成功のために尽力した東京都連盟はじめ運営スタッフのをねぎらうとともに閉会を宣言した。閉会式後、「2008年北京武術トーナメント」日本代表選手の発表が行われた。

● 来年の全日本選手権は7月10~12日 服装規定変わる― ユニフォーム着用拡大
 来年の「第26回全日本武術太極拳選手権大会」は7月10日(金)から12日(日)、東京体育館で開催される。来年の大会から、現行の大会服装規定が変更され、統一デザインユニフォームの着用が義務付けられる種目が増える。

 

大会初日、開場を待って長蛇の列 東京体育館の全6コートで競技実施