「第28回全日本武術太極拳選手権大会」盛況 個人・団体で計1770人が出場
「第11回世界武術選手権大会」(10月/トルコ・アンカラ市)日本代表選手10人が決定!
【掲載:2011年08月15日】
日本連盟主催の「第28回全日本武術太極拳選手権大会」が7月8~10日の3日間,東京・渋谷区千駄ヶ谷の東京体育館で開催され,全国から選抜された選手が熱戦を展開した。NPO法人東京都連盟(貫洞哲夫会長)の主管,文部科学省,公益財団法人日本オリンピック委員会,公益財団法人日本体育協会,東京都,朝日新聞社,日刊スポーツ新聞社,公益財団法人笹川スポーツ財団,NPO法人ワールドゲームズ協会,(社)日中友好協会,アジア武術連盟の後援。アシックスとフコク生命の協賛。
今大会は今年10月にトルコ・アンカラ市で開かれる国際武術連盟主催の「第11回世界武術選手権大会」日本代表選手最終選考会を兼ねて行われ,大会終了後の7月14日に代表選手と監督・コーチを含む選手団名簿が発表された。
個人1498人と集団63チーム・272人が出場
6競技部門・37種目で行われた今大会には昨年の大会のシード選手(59人)をはじめ,全国から予選を勝ち進んで選ばれた1498人と63チーム・272人が出場し,3日間にわたり熱い戦いを繰り広げた。
観客入場者数は1日あたり6000人以上,3日間でおよそ2万人にのぼった。大会運営は例年どおりNPO東京都連盟が担当し,大塚忠彦都連盟理事長・事務局長はじめスタッフのべ400人近くが会場設営・進行などを整然と行った。
大会期間中,中国武術協会代表団一行をはじめ,太極拳で健康作りをめざす大阪府熊取町,福島県喜多方市,協賛企業,体育関係者ら多くの来賓が観戦に訪れた。また衛藤征士郎大分県連盟会長,鶴保庸介和歌山県連盟会長,小見山幸治岐阜県連盟会長,加藤勝信日本連盟副会長ら衆参議員も来場し,地元選出の選手に声援を送っていた。
今年は東日本大震災で被災した東北地方の会員を思いやる気持ちと復興への願いをこめて「加油!!(頑張れ)東北!」をスローガンに,会場では「太極拳の仲間を支えよう」義援募金が行われ,多数の方が募金に協力した。
また,大会関連グッズ販売コーナーも大にぎわいで,今年の特別デザイン「加ジア油ヨウ!!東北!」のロゴ入りTシャツなどが飛ぶように売れていた。Tシャツの売上げの一部は義援金として被災者に贈られることになっている。
また「太極拳のまち」喜多方市の特産品コーナーでは喜多方ラーメン,日本酒などに人気が集まっていた。
「第28回全日本武術太極拳選手権大会」の模様は7月17日,NHKテレビBS1で全国放映された。
大会初日午前9時45分,村岡久平日本連盟副会長・専務理事が「全国から選ばれてここに参集した選手の皆さんの3日間の健闘を願います」とあいさつし,開会を宣言した。
友正慧大会総審判長の競技上の注意事項説明と大会審判団紹介に続いて,特設コート全6面で競技がスタートした。
■「第11回世界選手権」日本代表選抜
卓抜した技術と高い表現力で大観衆を魅了
今大会の自選難度競技は「徒手」と「器械」の2部門・8種目に,選手強化委員会の指定を受けた男女選手のべ73人がエントリーした。
自選難度の太極拳種目は音楽伴奏付きで行われ,長拳,南拳ともに高い技術と表現力で大観衆を圧倒した。
男子南拳では阿部弘希選手が9.07,南棍で中田光紀選手が9.56の得点で1位を獲得。男子長拳では市来崎大祐選手が9.71という高得点で他を圧倒し,優勝。男子太極拳・太極剣では関屋賢大選手が9.65,9.42の得点でそれぞれ1位となった。女子太極拳,太極剣では宮岡愛選手が9.72と9.75という高得点でそれぞれ1位に。女子長拳では山口啓子選手が9.37で優勝,女子南拳,南棍,南刀では小島恵梨香選手が9.49,8.91,8.77の得点でそれぞれ1位を獲得した。
厳しい訓練を重ねてきた選手たちの演技に大観衆から大きな拍手がおくられた。
■入賞選手に賞状とメダルを授与 来年の選手権大会シード選手決定
各種目の入賞選手には順次,賞状とメダルが会場に設営された表彰台で日本連盟役員から手渡された。大会参加者全員に大会プログラムが贈られた。
来年の「第29回全日本武術太極拳選手権大会」シード選手は今大会の太極拳種目入賞選手から指定された。(シード選手一覧を参照)
最終日の自選難度競技の表彰式に続いて閉会式が行われ,村岡久平副会長が全ての選手の健闘をたたえ,大会成功のために尽力した審判団,運営スタッフの労をねぎらうとともに閉会を宣言した。
■ホームページで大会全成績を公開
「第28回全日本武術太極拳選手権大会」の出場者全員の成績は9月初旬から12月末まで期間限定で日本連盟ホームページに掲載する。入賞者成績は掲載中。
■中国武術協会代表団一行が来日「日本の観客はすばらしい」
日本連盟の招請により中国武術協会代表団一行4人が来日し,全日本選手権大会を観戦した。
大会会場を訪れた団長の陳国栄中国武術協会副会長は「今回の来日で我々中国武術協会も参考にしたい点が多々あります。日本の大会は特に観客がすばらしい。みなさん長時間観戦して,節度ある応援をする。中国では最初の30分はいいのですが…」と話した。
団員の馮兵芳中国武術協会社会部部長(女),張元喜中国武術協会公室副室長,蘇斌中国武術協会職員らとともに,7月8日から12日まで東京に滞在し,都内や富士山などを訪れた。