第14回釜山アジア競技大会閉幕

武術太極拳競技に23カ国・地域から参加

【掲載:2002年10月15日】

 韓国・釜山市で9月29日に開幕した第14階アジア競技大会は、38競技に44カ国・地域から約10,000人の代表選手・役員団が参加して盛大に挙行され、10月14日に閉幕した。

 武術太極拳競技は、10月10日から13日の4日間、釜山市の東西大学(Dongseo University)スポーツセンター体育館で、套路競技と散手競技が実施された。競技には23カ国・地域から合計207人の選手・役員が参加した。4年前のバンコク大会では18カ国・地域の参加であったのにくらべ、5カ国・地域が増加して挙行された。

 武術太極拳は、2008年北京オリンピックに正式競技種目の申請をしており、11月下旬に開催される国際オリンピック委員会(IOC)の総会で決定が行われる予定。国際武術連盟とアジア武術連盟は、IOCの決定を間近に控えた時期に開催される非常に重要な大会と位置づけて大会運営に臨んだ。

 アジア武術連盟は、村岡久平事務総長、石原泰彦事務局副主任を、中国からは呉彬技術委員会主任、陳国栄技術部主任を事前に数次にわたって派遣し、準備状況の視察を行ってきた。

 大会では、組織委員会・大韓武術協会・釜山市武術協会とアジア武術連盟技術役員が協力して順調な競技運営が行われ、また、参加各チームの選手のレベルアップもめざましく、オリンピックスポーツにふさわしい内容を備えた大会運営を実施することができた。

 大会の技術役員として、日本連盟からは、石原泰彦理事が仲裁委員、川崎雅雄理事が副総審判長、中村剛国際審判員が帯同審判員として参加した。

 日本チーム12名(友正慧監督、孫建明、市川秀子コーチ、選手;渡邉俊哉、高山宗久、佐久間亮司、米本二一、榎並博明(散手)、赤沢依美、武田幸子、川崎秋子、山岸カヤ)は、10月5日に現地入りし、万全の体勢で臨んだが、東南アジア各国のナショナルチームの強化体制の進展と各種目での外国勢のレベルアップの前に、1990年の北京大会、94年広島大会、98年バンコク大会以来初めてのメダル無しに終わった。

 男子太極拳渡邉選手は、3位のフィリピン選手に0.01ポイント差で4位となった。また、男子長拳米本選手は、2種目総合では4位につけ、3種目の棍術で逆転が期待されたが、バランスミスのため、大きく後退した。

 6位以内入賞は、男子太極拳渡邉選手=4位、女子太極拳赤沢選手=6位、女子長拳川崎選手=6位の3名に留まった。

 散手65kg級の榎並選手は、第1回戦で強豪のイラン選手と当たり、惜しくも1回戦敗退となった。今大会の競技の講評は、本誌次号に掲載予定。

 日本連盟は、今大会での競技結果を分析し、今後の強化体制を整備するための総括会議を近く開催する。

大会成績一覧は「国際競技大会、全国大会成績」を参照