「第7回アジア選手権大会」-マカオ <大会成績>

金1(宮岡)、銀3(宮岡、小島、市来崎)の健闘!!

【掲載:2008年05月15日】

 第7回アジア武術選手権大会は、中国マカオの「塔石体育館」で、5月13日から16日までの4日間、套路競技が午前と午後に、また散手競技が夜間に実施された。日本は套路競技に代表選手団を派遣した。
 日本選手団は、監督=孫建明(選手強化委員会ヘッドコーチ)、コーチ=丹井 均(同委員会強化コーチ)と下記の選手8人であった。
 男子 太極拳=下田賢大(大阪)、田村良太(東京)
 男子 南 拳= 松浦新(大阪)、中田光紀(東京)
 男子 長 拳= 市来崎大祐(大阪)、下村有輝(大阪)
 女子 太極拳=宮岡愛(神奈川)、女子 南 拳= 小島恵梨香(滋賀)
 これらの男子3種目、女子2種目は、8月の「2008年北京武術トーナメント」で日本が出場資格を獲得している種目である。

●22カ国・地域、400人が参加:
 今大会にはアジア21カ国・地域とオセアニア州からオーストラリアが準加盟として参加し、22カ国・地域から選手・役員計400人余が参加した参加国・地域は次の通り。
 1.バングラデシュ、2.中国、3.中国台北、4.中国香港、5.イラン、6.インド、7.インドネシア
 8.日本、9.カザフスタン、10.キルギス、11.韓国、12.中国マカオ、13.マレーシア
 14.ミャンマー、15.パキスタン、16.フィリピン、17.シンガポール、18.トルクメニスタン
 19.ウズベキスタン、20.ベトナム、21.イエメン、(22)オーストラリア
 マカオは、過去に武術の国際大会を2回開催した実績がある(2003年第7回世界武術選手権大会、2005年第4回東アジア競技大会)。今大会では、マカオ特別行政区スポーツ発展局が運営責任を負い、マカオ武術総会と連携して順調な大会運営が行なわれた。

●8月北京の本番に向けた前哨戦:
 北京オリンピック開催期間の8月21~24日に挙行される「2008年北京武術トーナメント」には、昨年11月の「第9回世界武術選手権大会」で選抜された43カ国・地域から126人の選手が出場することが決まっている。そのうち、アジア地域からは、18カ国・地域80人が入っており、これは全体の参加国・地域の4割強、選手数で6割強を占めている。
 今大会は、これらのアジア各国が、8月の本番に参加する予定の選手を出場させて、ライバル選手の戦力を確かめ合う、非常に緊迫した競技となった。日本チームは、4月29日~5月7日まで、東京・本部研修センターで代表選手の直前強化合宿を行ない、万全を期して大会に臨んだ。

●日本選手の健闘と課題: 
 大会第1日目の最初の種目、女子南拳で小島恵梨香(滋賀)がトップのマカオ選手に0.02点の僅差で第2位となり、幸先の良いスタートを切った。
 第2日目には、女子太極拳で宮岡愛(神奈川)が中国に次ぐ第2位となり、続いて、男子棍術で市来崎大祐(大阪)が第2位を獲得した。
 第3日目に、宮岡愛が女子太極剣で、マレーシア選手と同点、同順位ではあったが、殊勲の第1位を獲得した。
 日本の金メダル1、銀メダル3は、参加国中の第5位の成績であった(下記の表を参照)。各国の主力選手は昨年11月の第9回世界選手権大会(北京)の時よりも更にパワーアップしており、8月に向けた強化策が最終の仕上げ段階に入っていることを示していた。
 下表のメダル争いでは、中国とマカオが優位を占めている。香港は、套路競技のほぼ全種目に選手を配置した結果、選手層が厚い戦績を示している。上記の3カ国・地域を除き、4位のベトナムから10位のミャンマーまでは殆ど横一線に並んでいて、競争の激烈さを物語っている。
 この大会でメダルを獲得した3選手はもとより、他の5選手(下村、下田、田村、松浦、中田)も大いに健闘したことを讃えたい。
 今大会は、どの種目でも昨年の世界選手権より一層高い水準で戦われた。そのなかで、日本選手の優れた技術が確かめられたことは喜ばしい。同時に、それぞれの選手の弱点と課題も発見することができた。選手は北京の本番でメダルを取るためには何を強化しなければならないか、明確にできた筈である。その意味で、今大会はメダルの数よりも貴重な成果を得ることができたと言える。
 代表選手は、帰国後、早速、技術課題に取り組む訓練を始めている。一部の選手は7月の全日本選手権大会までの約1ヶ月間を中国で特訓を受ける予定を組んでいる。
 それぞれの選手の最後の奮闘に期待し、応援したい。

●競技役員、審判員を派遣:
 日本連盟は、今大会の競技役員として、川崎雅雄理事(アジア連盟技術委員会副主任)を大会仲裁委員に、石原泰彦理事(国際武術連盟技術委員)を大会副総審判長に、また、中村剛国際審判員を帯同審判員として派遣し大会運営に参与した。

●メダル獲得数の国別順位は次の通り(套路競技のみ、散手競技は除く)。
1)規定競技部門

  国 名
1 中 国 12 0 0 12
2 中国マカオ 3 4 3 10
3 中国香 港 1 7 5 13
4 ベトナム 1 4 2 7
5 日 本 1 3 0 4
6 マレーシア 1 2 3 6
7 中国台北 1 0 2 3
8 イラン 1 0 1 2
9 フィリピン 1 0 1 2
10 ミャンマー 1 0 1 2
11 シンガポール 0 1 0 1
12 韓 国 0 0 1 1
13 インドネシア 0 0 3 3
メダル合計 23 21 22 66