「2008 BUSAN World Tre-X Games」 (国際スポーツ大会)開催

9月26~10月2日 韓国・釜山市
国際総合スポーツ大会に武術が初参加
銀3(下村、中田)、銅2(田村、山岸)で成果を挙げる

【掲載:2008年10月15日】

 「2008年プサンワールド TreX 競技会」別名「第4回プサンTAFISA World Sport For All Games」が、9月26~10月2日に、韓国釜山市で開催された。
 この大会は、「伝統スポーツ」、「ニュースポーツ」などの分野で、ゲートボール、ムエタイ、サンボ、ヨガ、気功、ダンス、電子ゲームスポーツなど、合計19種目のスポーツゲームが行なわれ、101カ国・地域から2500人の選手が参加した。これらの種目のほとんどが、「社会体育=生涯スポーツ」であったが、武術だけは国際競技ルールに基く「競技スポーツ」として実施された。
 「武術競技=Wushu」には、24カ国・地域から200人余がエントリーし、9月26日~29日に、釜山市「Geumjeong 体育館」で行なわれた。
 日本連盟は、この大会に選手強化委員会が選抜した7人の選手と監督、コーチで計9人の日本代表選手団を派遣した。

監督: 谷川 大(選手強化委員長)
コーチ: 孫 建明(同委員会ヘッドコーチ)
選 手: 田村 良太(太極拳)(東京都連盟)
清野 国男(太極拳)(京都府連盟)
山岸 カヤ(太極拳)(東京都連盟)
中田 光紀(南 拳)(東京都連盟)
下村 有輝(長拳・刀術)(大阪府連盟)
白枝 将司(長拳・棍術)(東京都連盟)
山口 啓子(長拳・剣術)(大阪府連盟)

■将来に向けた強化試合
 今大会は8月に中国・北京市で挙行された「2008年北京武術トーナメント」の終了1ヶ月後に実施されたもので、日本連盟は、8月北京大会に出場しなかった選手の強化試合と位置づけて選手を選抜し、派遣した。
 競技は、太極拳、南拳は1人の選手が1種目のみエントリーし、長拳出場選手は、他に1種目の器械、計2種目にエントリーできる規程であった。下村有輝選手が、長拳と刀術の2種目で、いずれも第2位、銀メダルを獲得。また、今回の代表選手のなかでは、唯一、8月の「北京武術トーナメント」に出場して、「南拳・南棍総合」で第4位であった中田光紀選手が、今大会では8月大会よりもレベルアップした演技で第2位、銀メダルを獲得した。
 男子太極拳の田村良太選手、女子太極拳の山岸カヤ選手は、いずれもノーミスの演技で第3位銅メダルを獲得した。国際大会初出場の清野国男選手(太極拳)と、白枝将司選手(長拳・棍術)、山口啓子選手(長拳・剣術)は、上位入賞には届かなかったが、今後のレベルアップにつながる貴重な経験を得ることができた。今大会の日本選手の健闘を讃えたい。

■審判役員の国際化を推進
 本大会では、国際武術連盟(IWUF)の指名により、石原泰彦日本連盟理事・国際連盟技術委員が大会「総審判長」を担当した。武術の国際大会で、総審判長を中国人以外の国際審判員が担当するのは、この大会が初めてのことであった。
 国際武術連盟は、10月に中国・武漢市で「国際審判員セミナー」を実施したうえで、国際審判員のなかから、12月にインドネシア・バリ島で開催される「第2回世界ジュニア武術選手権大会」の「審判長」を中国人以外の国際審判員から採用する方針で、審判役員の分野でも武術競技の国際化が始まったことになる。

釜山市 Geumjeong 体育館