「第10回世界武術選手権大会」で金1、銀5、銅1の健闘!

第10回世界武術選手権大会がカナダのトロントで開かれた
73カ国・地域から900人が参加して
日本は金1,銀5,銅1の健闘 参加国・地域中第5位の活躍

【掲載:2009年11月15日】

 国際武術連盟(IWUF)が主催し、カナダ武術連盟が主管して、「第10回世界武術選手権大会」が、10月24~29日にカナダ・トロント市の「リコーコロシアム」で開催された。
 今大会は、73カ国・地域から約900人の選手、役員等が参加した。10月24日夜には大会会場の「リコーコロシアム」で開会式が盛大に行われ、式典に続いて多彩なアトラクションが披露された。
 大会は、套路競技11種目(太極拳、太極剣、南拳、南刀、南棍、長拳、剣術、刀術、槍術、棍術、対練)の男女計22種目と、散打競技(男子11階級、女子7階級)が実施された。日本は套路競技に男子6人、女子4人が出場した。
今大会では、散打競技には代表選手を派遣しなかった。
 競技には、谷川大監督、前東篤子コーチ、孔祥東コーチ、丹井均コーチが率いる男女計10人の代表選手が下記の種目に出場した。

男子太極拳・太極剣: ①関屋賢大(大阪府連盟)
②田村良太(東京都連盟)
女子太極拳・太極剣: ③宮岡愛(神奈川県連盟)
④大塚美鈴(東京都連盟)
男子南拳・南刀・南棍: ⑤中田光紀(東京都連盟)
男子長拳・刀術・棍術: ⑥市来崎大祐(大阪府連盟)
⑦原田将司(東京都連盟)
⑧下起悦郎(愛知県連盟)
女子長拳・剣術・槍術: ⑨山口啓子(大阪府連盟)
⑩森下 閑(大阪府連盟)

●初出場の選手も活躍、金1、銀5、銅1を獲得:
 翌25日の第1日目の套路競技は、午前9時から夜10時過ぎまで行われ、第2日目は夜間のみ競技が行われるなど、変則的な競技運営で、選手は競技前の調整に苦労を強いられたが、監督・コーチ陣のもとで結束して競技に臨んだ。
 第1日目の最初に行われた男子剣術で、国際大会初出場の下起選手が銀メダルを獲得した。続いて行われた女子太極拳で宮岡選手が2位銀メダルを獲得して、日本チームに勢いをつけた。
 大会3日目には、男子南刀で中田選手が金メダルを獲得し、日本のメダル数は、金1(中田)、銀5(下起、宮岡、田村、原田、山口)、銅1(市来崎)で、大会参加国中第5位のメダル獲得数となる好成績を収めた。

◇      ◇

 現行の国際競技ルールでは、難度動作に成功するかどうかで勝敗が分かれるばかりでなく、一般動作にたいしても極めて厳格な減点が行われるため、跳躍動作の後の着地動作などで、ほんのわずかに揺れても0.1点減点されてメダルの圏外となる。したがって、過去の国際大会で実績のあるベテラン選手でも決して好成績が約束されているものではない。
今大会の女子太極拳の中国代表選手は、難度動作の失敗の結果、6位に終わった。過去の国際大会史上、中国選手がメダルを逃すのは、初めてのことであった。
 このような厳しい競争のなかで、日本選手は、世界選手権大会初出場の下起、原田、山口、森本、大塚選手が活躍してメダル獲得や好成績での入賞を果たした。これらの選手が今後の成長の大きな足掛かりを得ることができたことは喜ばしい。
 今大会の代表選手団の活躍と奮闘を大いに讃えたい。また、来年以降に続く国際大会を目指して、選手強化活動をさらに充実させていくことを期待したい。

●競技役員、国際連盟役員などを派遣:
 本大会には、石原泰彦日本連盟理事が国際連盟技術委員会委員として、大会仲裁委員会委員を務め、中村剛国際審判員が日本チーム帯同審判員として審判業務を担当した。
 大会期間中に開催された国際武術連盟の諸会議には、村岡久平日本連盟副会長・国際武術連盟理事と岡崎温日本連盟常務理事・国際武術連盟市場開発委員会委員が出席した。

●参加国・地域別 獲得メダル数(套路種目のみ):

順位 参加国・地域 合計数
1 中国 6     6
2 中国香港 3 6 3 12
3 マレーシア 2 2 5 9
4 中国マカオ 2 2 1 5
5 日本 1 5 1 7
6 ロシア 1 2 1 4
7 イラン 1 2   3
8 アメリカ 1 1   2
9 イタリア 1 2   2
10 インドネシア 1   4 5
11 韓国 1   2 3
12 カナダ 1   1 2
13 中国台北 1   1 2
14 ウクライナ   1   1
15 シンガポール     3 3