「2010年全日本武術太極拳競技会」最小規模で最精鋭の競技会
精彩放った中国武術代表団の演武
5月1~2日 東京・本部研修センターで初開催 選手23人が出場
5月1~2日に東京・江戸川区の日本連盟本部研修センターで「2010年全日本武術太極拳競技会」が開催され、選手強化委員会が指定する23人の選手が参加して2日間にわたる自選難度競技が行われた。
従来、春の「全日本競技大会」は「JOCジュニアオリンピック武術太極拳大会」と併設で開催されてきたが、今年から独立した自選難度競技の大会として初めて開催された。自選難度競技に出場することができる強化指定選手の人数が限定されているなかで、競技会と強化合宿を連結して、強化事業の成果を高めることを目的として、競技会を初めて本部研修センターで実施したもの。
■臨場感溢れる会場、選手を鼓舞する大声援 会場に観客用ステージを設置したものの、観客席は280席に限られたので、入場者はあらかじめ都道府県連盟と選手強化委員会に割り当てられた人数の入場券を事前に入手して来場した。
1日目の競技は午前10時30分から始められたが、客席は早くも全国各地から来場した観客で埋められた。競技は、会場に常設されている難度競技用の特設コートで行われた。
コートと客席とはカーテンで仕切られていて、各種目の開始ごとにカーテンが開いて、芝居会場のような臨場感のなかで競技が行われた。観客は至近距離で見るトップ選手の演武に大声援を送り、選手は大声援に鼓舞されて白熱した競技会となった。
観客席が限定されるなかでの競技会であったが、高い競技レベルで実施されたことと、観客の満足度の高さの両面で、初めての競技会は成功裏に終わった。
■中国武術代表団の演武 観客を魅了
5月1日は、競技会終了後の13:30から、中国武術代表団の4人の選手による競技会形式の特別演武会が行われた。4人の選手は、いずれも、長拳、南拳、太極拳の世界選手権大会チャンピオンまたは、中国全国武術大会チャンピオンクラスのトップ選手であり、1日目は日本選手の競技種目に合わせて、刀術、南刀、太極剣の演武を行った。5月2日も日本選手の種目に合わせて、長拳、南拳、太極拳の演武を行った。
いずれも、トップ選手の精彩を放つ演武が観客を魅了し、大歓声と惜しみない拍手が送られた。
中国全国武術大会長拳第1位
第10回世界選手権大会南拳第1位
第9回世界選手権大会太極拳第1位
中国全国武術大会長拳第2位
■審判研修で成果、今後の課題
競技会前日の4月30日に、同センターで日本連盟公認審判員と国際審判員、役員計33人が参加して審判研修が行われた。国際審判員(6人)が分担して各種目の審判実習を実施した。
また、今回特別に中国から招聘した国際審判員、林小美講師(女、浙江大学教授)による解説と講評を受けて、自選難度競技の採点基準の明確化に成果を挙げることができた。
自選難度競技は、審判員をA組(動作の質)に3人、B組(演技レベル)に3人、C組(難度動作)に3人と、審判長の計10人で行なうが、研修センターの会場の制約から、A組審判員の配置位置が今後の課題となった。
競技会の後の審判員総括会議の内容を踏まえて、今後の採点業務を抜本的に改善するために、A組採点業務の電算機処理化をすすめることなどが確認された。
■春季強化合宿で中国コーチ・選手と合同訓練 5月3~5日には、同センターで日本連盟春季国内強化合宿が実施され、前日までの全日本武術太極拳競技会に出場した選手23人と選手強化委員会のコーチ、そして中国から来日したコーチ・選手ら8人が参加して合同強化訓練を行った。
来日した中国武術代表団。左から林小美国際審判員、厳平、陳旭紅、李強の各コーチ、王曦、林凡、黄穎祺、庄の各選手 |
競技会終了後、日中両国の選手が勢ぞろい |
2010年全日本武術太極拳競技会審判団
監査委員:
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川崎 雅雄、高山 守夫 |
総審判長:
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西村 誠志 |
副総審判員:
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辻本三郎丸、友正 慧 |
執行審判員:
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岩田 崇江、及川 佳織、王 正、小川 篤子、桂木 聡子、 住石寿美恵、高浦 猛、高山恵靖子、高山 宗久、武田 久、 竹中 保仁、竹村 美恵、谷 理絵、冨田 金義、中谷 美幸、 中村 剛、堀江 英紀、前田 修、前東 篤子、松下 寛、 三方 由子、三代 一美、満留 博文、三船 英、宮村 みほ、 矢島孝一郎、横山 麻子、吉田由美子 |