第27回全日本武術太極拳選手権大会 観客2万人・シード決定
「第16回アジア大会(11月/中国・広州市)武術競技」日本代表選手決まる
個人・集団あわせて1863人が出場、観客およそ2万人
【掲載:2010年08月15日】
日本連盟主催の「第27回全日本武術太極拳選手権大会」が7月9日~11日の3日間、東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催され、全国から出場の選手が熱戦を繰り広げた。東京都連盟の主管によるもので、文部科学省、(財)日本オリンピック委員会、(財)日本体育協会、東京都、朝日新聞社、日刊スポーツ新聞社、(財)笹川スポーツ財団、NPO法人日本ワールドゲームズ協会、(社)日中友好協会、アジア武術連盟の後援。特別協賛企業はフコク生命、協賛企業はミズノ、アシックスの2社。
今大会はアジアオリンピック評議会が主催して今年11月に中国・広州市で開かれる「第16回アジア競技大会<武術太極拳>」日本代表選手選考会を兼ねて実施されたもので、大会終了後の7月13日、代表選手と選手団名簿が発表された。
■個人・集団に1568人と70チーム・295人が出場
6競技部門・37種目で行われた今大会にはシード選手をはじめ全国から予選を勝ち抜いて選ばれた1568人と70チーム・295人が出場、3日間にわたり熱戦を繰り広げた。
観客入場者数は1日あたり6000人以上、3日間で2万人に達した。大会運営は例年どおり、東京都武術太極拳連盟が担当し、大塚忠彦都連盟事務局長らスタッフのべ400人近くが会場設営・進行などを行った。
大会期間中、国際武術連盟会長・アジア武術連盟会長の于再清中国スポーツ省次官一行をはじめ「太極拳のまち」喜多方市、特別協賛企業フコク生命の役員、体育関係者ら多くの来賓が観戦に訪れた。
「第27回全日本武術太極拳選手権大会」の模様は7月19日、NHKテレビBS1で全国放映され、さらに23日にも再放映された。
大会初日朝の開会式で、村岡久平日本連盟副会長・専務理事が「全国から参集された精鋭のみなさん、日頃の鍛錬の成果を十分に発揮し、さらなる高峰をめざしていきましょう」と挨拶し、開会を宣言した。
西村誠志大会総審判長の競技上の注意事項説明と大会審判団紹介に続いて、東京体育館のコート6面で競技が開始された。
■自選難度太極拳は音楽伴奏付きで
高い技術力と表現力で大観衆を魅了
今大会の自選難度競技は「徒手」と「器械」の2部門・8種目が3日間にわたって実施され、選手強化委員会の指定を受けた男女選手58人がエントリーした。
自選難度の太極拳種目は音楽伴奏付きで行われ、高度な技術力と表現力で観客の目を釘付けにした。
■「第16回アジア大会」日本代表選抜
白熱した演武 圧巻の勝負
大会初日と2日目に自選難度器械種目が、最終日に自選難度徒手種目が行われ、いずれの種目でも白熱した演武が展開された。
男子南拳・南棍では、中田光紀選手が9.68、9.45の得点でそれぞれ1位となり、男子長拳では、市来崎大祐選手が9.70の高得点で1位となった。
男子太極拳では関屋賢大選手が9.64の高得点で優勝を飾った。
女子太極拳では宮岡愛選手が安定した演技で9.69を得点して1位に。女子長拳では広田泉選手が9.33で優勝、長拳短器械・剣術では山口啓子選手が9.46で1位となった。
厳しい訓練を重ねてきた選手たちが繰り広げた圧巻の競技に、大観衆から大きな拍手がおくられた。
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6コートで競技が行われた | 自選難度競技「太極拳」の演技 |
■入賞選手に賞状とメダルを授与、来年の選手権シード選手決定
各種目の入賞選手には順次、賞状とメダルが日本連盟役員から手渡され、大会参加者全員に記念品(大会プログラム)が贈られた。
来年の「第28回全日本武術太極拳選手権大会」シード選手は今大会の入賞選手から指定された。(11頁にシード選手一覧を掲載)
最終日の自選難度競技の表彰式に続いて、閉会式が行われ、村岡久平副会長がすべての選手の健闘ぶりを称え、大会成功のために尽力した審判団はじめ運営スタッフの労をねぎらうとともに閉会を宣言した。
■来年の全日本選手権は7月8日~10日
来年2011年の「第28回全日本武術太極拳選手権大会」は7月8日(金)から10日(日)までの3日間、東京体育館で開催する。
■アジア武術連盟于再清会長一行が来日、全日本選手権大会を観戦
日本連盟の招請により、「アジア武術連盟(WFA)役員定期協議」出席のために于再清WFA会長(国際武術連盟会長、IOC副会長、中国スポーツ省次官)と霍震寰WFA副会長(香港武術聯会会長)、陳国栄WFA技術委員会主任(中国武術協会副会長)が来日した。来日期間中に「第27回全日本選手権大会」を視察した。大会2日目の会場を訪れた一行は観衆から大きな拍手で歓迎を受けた。
一行は「選手の技術レベルが向上したこと、ちりひとつない会場で整然と大会が進行されていることに感銘を受けた。学ぶべき点が多々ある」(霍副会長)と話した。
監査委員: | 岡﨑 温 高山 守夫 |
総審判長: | 西村 誠志 |
副総審判長: | 川崎 雅雄 辻本三郎丸 友正 慧 |
審 判 長: |
及川 佳織 小川 篤子 高山恵靖子 竹中 保仁 中村 剛 前田 修 前東 篤子 三代 一美 矢島孝一郎 |
執行審判員: |
上り浜誠一 石川佐奈江 岩田 崇江 岩根 節子 上柳 幸子 王 正 大越 春美 大城真智子 大和久美代子 笠木 ゆり 桂木 聡子 小林まさ子 小山 晶子 佐藤えり子 下長 満子 鈴木真理子 住石寿美恵 図子 幸子 高浦 猛 高山 宗久 武田 久 谷 理絵 冨田 金義 友崎 敦 二宮 秀夫 堀江 英紀 増田 尚子 馬淵 俊二 松下 寛 三方 由子 三船 英 満留 博文 村上 里絵 横山 麻子 吉田 チイ 吉田由美子 渡部 健一 |
套路審判員: |
相川 清香 河原 美紀 桐山 賢信 佐々木祐子 白井 幸子 高橋セイ子 登丸 道子 中谷 美幸 東出 桂子 宮村 みほ 米本 二一 |
業務審判員: |
青木 陽子 浅川 芳子 安藤 育子 池田 和彦 石川 まな 岩佐 育代 岩佐 祐子 榎田 徳子 太田垣久美子 大竹 由美 大沼 富子 奥 眞美子 奥西 憩子 河村 南里 起塚 恵子 工藤 房枝 小岩知恵子 小島 正晴 小須田正孝 小原真里世 酒井 恵子 坂井シゲ子 杉崎由里子 鈴木 浩次 谷 晴子 瑶寺理恵子 筑井 秀夫 登丸 譲治 長洲 裕子 濵川 良子 原 ヤヨイ 春田 牧子 松本 敏江 山縣左記子 山下 君子 |
■「第16回アジア大会 武術太極拳競技」、6人の日本代表選手決定
「第27回全日本武術太極拳選手権大会」が終了した7月11日の17時10分から、会場の東京体育館において「第16回アジア競技大会/中国・広州」の「日本代表選手選考会議」が開催された。
日本連盟関係役員、選手強化委員会役員、審判長ら15人が出席して、代表選手選考のための厳正な協議が行われた結果、「日本代表選手(案)」が作成され、その後、日本連盟理事会の持ち回り審議が行われ、理事全員から承認された。日本連盟で機関決定された日本代表選手団名簿(監督、コーチ、男子選手3人、女子選手3人)は次のとおり。
■「代表強化合宿」に選手13人が参加、8月20日~30日 北京市で
日本連盟選手強化委員会は「第16回アジア競技大会」の日本代表選手と8月28日から北京で開催される「第1回世界格闘技大会」日本代表選手を中心に、8月20日から30日までの11日間、北京市で代表強化合宿を行う。
合宿参加者は次のとおり。
コーチ=孫建明
選 手=
(男子)田村良太、中田光紀、原田将司、市来崎大祐、下村有輝、関屋賢大、下起悦郎
(女子)森本閑、平岡友希、宮岡愛、山口啓子、佐藤直子、大塚美鈴
第16回アジア競技大会 武術太極拳競技
代表選手(中国・広州市・11月)
種 目 | 性別 | 氏 名 | 所 属 団 体 |
---|---|---|---|
太極拳 太極剣 |
男 | 関屋 賢大 | 大阪府連盟 |
長 拳 刀/棍 |
市来崎大祐 | 大阪府連盟 | |
南 拳 南 棍 |
中田 光紀 | 東京都連盟 | |
太極拳 太極剣 |
女 | 宮岡 愛 | 神奈川県連盟 |
長 拳 剣・槍 |
山口 啓子 | 東京都連盟 | |
平岡 友希 | 大阪府連盟 |
コーチ=孫建明・前東篤子