「第33回全日本武術太極拳選手権大会」盛会に終了

「第33回全日本武術太極拳選手権大会」(東京体育館)

個人1459人・団体65チーム(268人)がエントリー
鈴木大地スポーツ庁長官が視察 来場者3日間で2万人を超える

「第9回アジア武術選手権大会」(9月/台湾・桃園市)日本代表選手11人が決定!

公益社団法人日本武術太極拳連盟が主催する「第33回全日本武術太極拳選手権大会」が,7月8日(金)・9日(土)・10日(日)の3日間,東京・渋谷区千駄ヶ谷の「東京体育館」において開催された。

全国から選抜された選手1700人あまりが,蒸し暑さのつづく梅雨空の東京で,熱戦を繰り広げた。

主管はNPO法人東京都武術太極拳連盟(貫洞哲夫会長)。後援はスポーツ庁,公益財団法人日本オリンピック委員会,公益財団法人日本体育協会,東京都,朝日新聞社,日刊スポーツ新聞社,公益財団法人笹川スポーツ財団,NPO法人日本ワールドゲームズ協会,公益社団法人日本中国友好協会。協賛は,太極パートナーズ各社(アシックス,島村運輸倉庫,太極サポーター5社)だった。本大会は,毎年国際大会の日本代表選手最終選考会を兼ねており,今年度は今年9月に開催される「第9回アジア武術選手権大会」(台湾・桃園市)へ派遣する日本代表選手について,「自選難度競技種目」から11人の選手を選考した(詳細後述)。



夏の陽射しで朝を迎えた会場の東京体育館


大勢の観客と応援団の声援がとぶメインアリーナ

 

国体公開競技種目,オリンピック候補種目として定着し,今回はスポーツ庁長官の視察も

今年度の「第33回全日本武術太極拳選手権大会」が,7月8日(金)から10日(日)までの3日間,会場は例年どおり東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催された。大会への一般観覧者は昨年よりも多く来場し2万人を超える大盛況となった。

大会初日,7月8日(金)午前9時30分から開会式が行われ,初めに村岡久平日本連盟会長が開会を宣言した。この後,視察に訪れていた鈴木大地スポーツ庁長官から激励の挨拶をいただいた。前回のアジア競技大会(韓国・仁川)で,大会初日に日本人初のメダルを獲得した武術太極拳に感動された話や,2024年以降にオリンピック種目の可能性もあり期待をしており,選手強化に励まれることを望んでいる,などと武術太極拳にエールを送っていただいたことは,非常に心強いことである。また,馳浩文部科学大臣からの祝電等も披露された。

つづいて西村誠志総審判長による競技ルール説明がなされ開会式が終了した。

会場は,東京体育館メインアリーナに特設6コートを敷設。第1コートは難度競技種目用に特別なクッションを下敷きにし,跳躍や衝撃でケガのないように例年どおり配慮している。競技開始前に,大会審判団の審判役員および各コートに整列した審判員が紹介され,その後,入場行進曲に観客席からの拍手が加わる中,各コート最初の種目の出場選手が入場し,一気に会場の熱気が高まった。

鈴木大地スポーツ庁長官は,視察の予定時間を過ぎても興味深く観戦され,惜しむように会場を後にした。

 

競技は3日間にわたり,昨年同様,6競技部門37種目で行われた。昨年大会でシードになった選手61人のほか,全国から予選を勝ち進むなどして選ばれた個人競技部門の選手は男女合わせて1459人,団体競技部門の選手268人(65チーム)が腕を競い合った。今大会の出場選手中,最年少は6歳(女子),最高齢は83歳(女性)だった。


開会の挨拶に立つ村岡日本連盟会長

開会式で祝辞を述べる鈴木大地スポーツ庁長官

大会審判団役員(左から)西村誠志総審判長、川崎雅雄、辻本三郎丸、友正慧の3副総審判長

 

大会を支える選手,審判員,スタッフ,協賛各社が一丸となって歴史を積み重ねていく

大会運営は,例年どおりNPO法人東京都武術太極拳連盟が所属団体各位の協力を得て担当し,役員・スタッフらのべ400人近くが4日間にわたり会場設営・受付・進行・警備・表彰などに携わった。

大会関連グッズ販売ブースは,昨年は,日本連盟教材テキスト・DVD,武術器械(三栄),大会記念Tシャツ,シューズ・ウェア(アシックス),および「太極拳のまち」福島県喜多方市のブースだったが,今年は,さらに本大会用の規格ユニフォームの販売が追加された。これは,日本連盟が企画する協賛グループ「太極パートナーズ」に,表演服等の販売会社5社が連合し(名称:太極サポーター),加入したことによる。

大会を取り巻くすべての活動は,すべてのスタッフや関係者の協力で成り立っている。これまでも,これからの大会も,スタッフ・関係者が一丸となって回数を重ね,今年は第33回を終え,来年は第34回を迎え,そうして連綿とつづく歴史を作っていく。

最終日の競技終了後,表彰台周辺で,当日競技の後半一部種目と自選難度競技の代表表彰が行われ,岡﨑温日本連盟副会長らから賞状とメダルが授与された。引き続き閉会式に移り,村岡久平日本連盟会長が選手をはじめ,審判員,スタッフらを労う言葉を最後に閉会の辞を述べ,大会の幕を下ろした。

来年の「第34回全日本武術太極拳選手権大会」は2017年7月7日(金)~9日(日),東京体育館で開催予定。

また,来年の同大会シード選手は今大会の太極拳種目入賞選手から指定された。(シード選手一覧はこちら)


今期で引退を表明した市来崎大祐選手の
自選難度長拳刀術演武の勇姿

スピード感あふれる対練種目の演武

入賞に笑顔いっぱいでカメラにポーズ

 

「第9回アジア武術選手権大会」の日本代表選手選考会で11人を最終決定

自選難度競技に出場した32人の選手の中から,今年9月1~5日に台湾・桃園市で開催される「第9回アジア武術選手権大会」の日本代表選手選考が行われた。

閉会式後に,東京体育館内の会議室にて日本代表選手選考委員会による選考会議が開かれた。日本連盟専門委員会の「審判委員会」「選手強化委員会」および専務・常務理事など計15人により,男女合わせて11人の代表選手選考が議論された。

今大会の成績および過去1年間の実績等々を含め,慎重かつ入念な意見交換があり,太極拳,長拳,南拳の種目から男子6人,女子5人の計11人の代表選手が最終的に選出された。(巻頭の写真は,左から下表の名簿順。)

 

種目 性別 氏  名 所 属 団 体
1 長 拳 別當  響 大阪府武術太極拳連盟
2 大川 智矢 東京都武術太極拳連盟
3 山口 啓子 東京都武術太極拳連盟
4 柏熊 結姫 東京都武術太極拳連盟
5 南 拳 毛利 亮太 大阪府武術太極拳連盟
6 朝山 義隆 大阪府武術太極拳連盟
7 小島恵梨香 滋賀県武術太極拳連盟
8 阪 みさき 大阪府武術太極拳連盟
9 太極拳 荒谷 友碩 千葉県武術太極拳連盟
10 村上  僚 東京都武術太極拳連盟
11 齋藤 志保 岩手県武術太極拳連盟
12 監督 孫  建明 選手強化委員会ヘッドコーチ
13 コーチ 前東 篤子 同  副委員長
14 孔  祥東 同  強化コーチ
15 帯同審判員 竹中 保仁 審判委員会委員・国際審判員

NHK BS1で大会映像が全国放映される

「第33回全日本武術太極拳選手権大会」3日目の模様が7月17日(日)15:00~15:50,NHKテレビBS1で全国放映された。また,7月21日(木)1:00~1:50(水曜深夜),NHKテレビBS1にて再放送。解説は日本連盟審判委員会の及川佳織委員。自選難度競技の徒手種目である「南拳」「長拳」「太極拳」に出場した日本連盟強化指定選手の収録演武が見られる。

日本代表選手徒手種目の演武写真はOLI HAU OLI Photo Office Co., Ltd.の提供