「第11回アジアジュニア武術選手権大会」結果報告

金メダル7個・銀メダル7個・銅メダル5個のメダルを獲得!

アジア武術連盟(WFA)が主催し、8月14~21日(競技は8月17~20日)に「第11回アジアジュニア武術選手権大会」が中国・マカオのタップ・シーク・マルチスポーツ・パビリオンで開催されました。大会には20ヵ国・地域から312人の選手・役員が集いました。

日本連盟では監督1人、コーチ3人、国際審判1人、選手14人の合計19人を派遣しました。

日本ジュニア武術隊は金メダル7個・銀メダル7個・銅メダル5個の合計19個を獲得し、C組の選手もメダル獲得に大きく貢献するなど、素晴らしい成果となりました。この結果は前回のブルネイ大会を大きく上回る好成績となりました。

本事業は、(公財)日本オリンピック委員会(JOC)の選手強化NF事業助成を受けて実施されました。

詳細な成績の一覧はこちらに掲載します。

日本代表選手団一行

日本代表選手団一行

 

監督・コーチレポート

アジア武術連盟(WFA)主催による「第11回アジアジュニア武術選手権大会」が8月17日~20日の4日間、中国・マカオのタップ・シーク・マルチスポーツ・パビリオンで開催された。日本代表選手団は監督1名、コーチ3名、国際審判1名、選手14名の合計19名で構成され、今大会には4年ぶりとなるC組の選手を派遣し、メダル獲得に大きな期待が寄せられた。またA組の選手の中にはこの大会を最後にジュニア卒業となる選手がおり、シニアに転向する前の重要なステップとなる大会であった。

8月12日(土)~13日(日)の2日間、東京・日本連盟トレーニングセンターにおいて直前合宿を行い、最終調整を行った。2日間という短い期間ではあったが、2019年ルールに対応すべき減点箇所の確認や、跳躍の完成度を上げるための対策などを行った。また合宿を通じてコミュニケーションを深めることで、代表メンバー同士の信頼関係と結束力が高まった。

マカオ入りしてからは健康面、生活面に注意し、毎晩ミーティングを行い、大会に向け準備を進めた。年々国際大会での減点が厳しくなっている傾向がみられ、今大会でもA組やB組の競技では、ほんの小さな揺れでも厳しく減点され、ミスをすればメダルを逃してしまうという緊張感が見られた。またC組の競技では規格の歩型や演技レベルのリズムなど厳しい減点があった。そんな中でも日本チームは合計19個のメダルを獲得し、C組の選手もメダル獲得に大きく貢献した事は素晴らしい成果である。金メダル7個、銀メダル7個、銅メダル5個という結果は前回のブルネイ大会を大きく上回る好成績であった。日本代表チームの準備と努力が実を結んだ結果である。コロナ感染症による行動制限の緩和以降、次々と国際大会も開催され、年々競争が激しくなる中、日本の選手たちが多数のメダルを獲得できたのは、高い技術と正確性がその要因である。

一方で好成績という結果の中にも日本チームの弱さや課題も多く見えた。日本の選手のミスが少なく、演技の正確性の評価はこれまで通り高かったが、日本人のおとなしい性格が演技にも出る傾向があり、意識や勢い、迫力などといった演技力、また身体能力の面でも強化していく必要性を感じた。他国の選手はコロナの緩和を受け海外での強化合宿で経験と自信をつけてきていることを踏まえ、日本も他国に遅れを取らないよう来年の世界ジュニア選手権大会に向けてレベルアップを図っていきたい。

参加国・地域別 獲得メダル数(套路・散打)

順位 国・地域名 合計
1 中国 16 3 1 20
2 中国マカオ 13 12 9 34
3 イラン 8 3 2 13
4 中国香港 7 13 13 33
5 日本 7 7 5 19
6 インドネシア 6 14 10 30
7 マレーシア 6 8 10 24
8 シンガポール 6 4 8 18
9 中華台北 5 4 5 14
10 韓国 2 7 1 10
11 カザフスタン 2 2 4 8
12 インド 2 1 6 9
13 ブルネイ 1   4 5
14 ミャンマー   1 4 5
15 スリランカ   1 3 4
16 バングラデシュ     3 3
16 トルクメニスタン     3 3
18 ネパール     1 1
19 パレスチナ     1 1
20 キルギス共和国        
合計 81 80 93 254

日本代表選手成績一覧

No 2023
年齢区分
性 別 種 目 氏 名 所属連盟 出場種目と成績
1 A組 長 拳 新小田 広希 大阪府 長拳7位、刀術9位、棍術5位
2 長 拳 田中 壮流 北海道 長拳9位、剣術5位、槍術1位
3 太極拳 樋ノ口 大翔 岩手県 太極拳7位、太極剣8位
4 長 拳 貴田 胡花 兵庫県 長拳2位、剣術5位、槍術1位
5 長 拳 小櫻 果 広島県 長拳4位、刀術6位、棍術2位
6 太極拳 棟方 ひより 北海道 太極拳3位、太極剣7位
7 B組 長 拳 加藤 元気 岐阜県 長拳3位刀術1位、棍術5位
8 太極拳 川村 心輝 岩手県 太極拳1位太極剣1位
9 長 拳 白川 奏那 兵庫県 長拳2位刀術2位、棍術4位
10 太極拳 鈴木 稀花 茨城県 太極拳2位太極剣3位
11 C組 長 拳 王 俊翔 広島県 長拳1位刀術1位、棍術6位
12 長 拳 渋谷 天獅 岐阜県 棄権
13 長 拳 下起 咲美 愛知県 長拳8位、刀術2位棍術3位
14 長 拳 長友 晨煕 埼玉県 長拳6位、剣術3位槍術2位
15 役員・コーチ 孫 建明 選手強化委員会ヘッドコーチ/監督
16 孔 祥東 同 委員長
17 神庭 裕里 同ジュニアヘッドコーチ
18 丹井 均 同 強化コーチ
19 帯同審判 堀米 昭義 国際審判員

 

出発前2日間で直前合宿を行い、最終調整

出発前2日間で直前合宿を行い、最終調整

左上から、(上段)川村心輝、新小田広希、加藤元気、白川奏那、王俊翔、小櫻果、鈴木稀花(下段)田中壮流、棟方ひより、貴田胡花、下起咲美、長友晨煕、樋ノ口大翔の各選手

左上から、(上段)川村心輝、新小田広希、加藤元気、白川奏那、王俊翔、小櫻果、鈴木稀花、(下段)田中壮流、棟方ひより、貴田胡花、下起咲美、長友晨煕、樋ノ口大翔の各選手

はじめて国際審判員を務めた堀米審判員(中央)

はじめて国際審判員を務めた堀米審判員(中央)

メダルを手に笑顔をみせる選手たち

メダルを手に笑顔をみせる選手たち