「第8回アジアジュニア武術選手権大会」(中国・内モンゴル自治区)金6・銀7・銅2の好成績,14人全員入賞!
2015.8.6~9/中国・内モンゴル自治区 24カ国・地域から296人が参加
金6・銀7・銅2の好成績,14人全員入賞!
【掲載:2015年9月15日】
アジア武術連盟(WFA)主催の「第8回アジアジュニア武術選手権大会」が8月6~9日,中国・内モンゴル自治区シリンゴル盟シリンホト市で開催され,アジア24カ国・地域から296人の選手が参加した。
日本連盟では,ジュニア代表選手14人と監督・コーチ5人,帯同審判員1人の計20人を派遣した。
会場のシリンホト市は,中国でもモンゴルに近い地域で,日本では酷暑が続いたこの時期,現地では昼間の気温が15~16度という過ごしやすい気候だった。
日本代表選手団は,出発前に東京・本部研修センターで直前の調整合宿を行い,満を持して現地入りした。
毎日がメダルラッシュで前回大会を上回る
初日に高木勇吹選手がC組初級長拳で2位(銀),蝦名冬馬選手がB組24式太極拳で2位(銀)を奪取。翌2日目は,B組女子長拳で貴田菜ノ花選手が1位(金),B組男子剣術で高龍大選手が2位(銀),A組男子太極剣(国際第三套路)で大津朝陽選手が3位(銅),そしてA組女子太極剣(国際第三套路)で薄井花音選手が見事1位(金)に輝いた。3日目もメダルラッシュで,昼の部ではB組男子長拳で高龍大選手が1位(金),B組男子32式太極剣で蝦名冬馬選手が前日の雪辱を果たして1位(金),B組女子槍術は,前日に引き続き貴田菜ノ花選手が1位(金)を獲得した。夜の部に入り,C組女子剣術で泉更紗選手が3位(銅),B組女子剣術で貴田菜ノ花選手が惜しくも2位(銀),A組女子太極拳(国際第三套路)で薄井花音選手も2位(銀)となり,この日だけでメダル6個を獲得。最終日,A組男子棍術で大津夕陽選手が2位(銀),A組男子南棍で毛利悠二選手が1位(金)とJOCジュニアカップ最優秀賞者の面目を保ち,B組男子槍術で高龍大選手が2位(銀)で自己3つ目のメダルを獲得して,すべての競技を終えた。
メダルに手が届かなかった他の選手も,堂々と6位以内に入賞し,参加14人の選手全員が入賞という快挙といってもよい成績を挙げた。金6,銀7,銅2は,前回大会の金4,銀2,銅6を大きく上回り,ジュニア世代の選手の育成が着実に進んでいることを証明した。
チーム一丸となって,応援にも元気をもらい
会場となった内モンゴル自治区は,過去の国際大会では初めて訪れる地域であり,監督・コーチ陣も食事や環境などに対し,事前に準備をこころがけた。近年は国際的なスポーツ競技として注目を浴びており,シニア選手だけでなくジュニア選手にもアンチ・ドーピングの意識付けを今回も事前に行っている。
現地入りして,宿泊ホテルの環境や食事などの不安は解消した。気温や湿度も日本とは大違いで,選手たちにとってはベストに近いコンディションだった。
小中高の年代であるジュニア選手たちの体調やモチベーションを保つのに,監督・コーチ5人も一体となり,チーム一丸となれたことが大きい。また,日本から家族や関係者も大勢応援にかけつけてくれ,選手たちは大いに元気づけられた。競技大会が終了し,モンゴル草原を彷彿とさせる平原に足を運んだ一行は,今大会の成果も相まって楽しいひとときを過ごし,翌日,全員ケガもなく無事に帰国できた。
本大会派遣は,(公財)日本オリンピック委員会(JOC)の平成27年度選手強化NF事業として実施した。
大会監督報告 谷川 大(選手強化委員会委員長)
大会期間中に他の国のコーチから日本は日常的にどのような訓練を行っているのか,という質問を受けました。日本は専業の武術チームではなく,普段はそれぞれの在住地で学業に励むとともに武術の訓練を積み,大会前に合宿を行って大会に臨んでいます。大会では各選手とコーチが綿密なサポート体制を組み,応援や日常生活での管理を行いました。会場と宿舎が近かったこともありますが,今大会でも他国に比べてより強いチーム力を発揮できたことが好成績を生んだ大きな要因であったと考えます。
全体としては成功裏に終わった大会ですが,課題も残りました。日常訓練での基本技術の徹底指導は単に成績を収めるためだけでなく,長く武術を続けるうえでも重要なものです。そのためには同時に高い基準と目標を設定しての技術統一性を設けなくてはならず,今後全国的な取り組みも必要と考えられます。
大会に参加された選手の皆さんはこの経験を生かして,武術の訓練で,また日常生活でも大きな進歩を遂げられるものと考えております。
関係されたすべての皆さんに感謝申し上げます。
前列左から,小舩愛賀,泉更紗,高木勇吹,安良城基睦,前東篤子(コ),中列左から,薄井花音,貴田菜ノ花,大田優子,齋藤優芽,孔祥東(コ),後列左から,高龍大,大津夕陽,神庭裕里(コ),寺岡瑠里,毛利悠二,大津朝陽,蝦名冬馬,最後列に左から,丹井均(コ),谷川大(監督)※(コ)はコーチ,その他は選手
●参加国・地域 メダル獲得数(散打種目を除く)
国・地域名 | 金 | 銀 | 銅 | 計 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 中国 | 13 | 0 | 0 | 13 |
2 | 中国香港 | 8 | 9 | 5 | 22 |
3 | ベトナム | 7 | 4 | 3 | 14 |
4 | 日本 | 6 | 7 | 2 | 15 |
5 | マレーシア | 4 | 10 | 10 | 24 |
6 | 中国マカオ | 4 | 8 | 3 | 15 |
7 | イラン | 4 | 7 | 9 | 20 |
8 | インドネシア | 4 | 1 | 4 | 9 |
9 | フィリピン | 4 | 0 | 4 | 8 |
10 | シンガポール | 3 | 5 | 6 | 14 |
11 | 韓国 | 2 | 3 | 1 | 6 |
12 | ウズベキスタン | 2 | 1 | 0 | 3 |
13 | ブルネイ | 1 | 3 | 1 | 5 |
14 | 中国台北 | 1 | 2 | 3 | 6 |
15 | カザフスタン | 0 | 1 | 5 | 6 |
16 | ミャンマー | 0 | 1 | 1 | 2 |
合計 | 63 | 62 | 57 | 182 |
日本代表選手団と成績一覧<金6,銀7,銅2>
No. | 組 | 種 目 | 性別 | 氏 名 | 所属団体 | 出場種目 | 成績 | 出場種目 | 成績 | 出場種目 | 成績 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | A | 長拳 | 男子 | 大津 夕陽 | 大阪府連盟 | 長拳 |
10位
|
刀術
|
6位
|
棍術
|
2位 | |
2 | 南拳 | 毛利 悠二 | 福岡県連盟 | 南拳 |
5位
|
南刀
|
10位
|
南棍
|
1位 | |||
3 | 太極拳 | 大津 朝陽 | 大阪府連盟 | 太極拳 |
4位
|
太極剣
|
3位 |
/
|
/
|
|||
4 | 長拳 | 女子 | 大田 優子 | 東京都連盟 | 長拳 |
4位
|
剣術
|
4位
|
槍術
|
4位
|
||
5 | 太極拳 | 寺岡 瑠里 | 北海道連盟 | 太極拳 |
6位
|
太極剣
|
6位
|
/
|
/
|
|||
6 | 太極拳 | 薄井 花音 | 栃木県連盟 | 太極拳 | 2位 |
太極剣
|
1位 |
/
|
/
|
|||
7 | B | 長拳 | 男子 | 高 龍大 | 大阪府連盟 | 長拳 | 1位 |
剣術
|
2位 |
槍術
|
2位 | |
8 | 太極拳 | 蝦名 冬馬 | 北海道連盟 | 太極拳 | 2位 |
太極剣
|
1位 |
/
|
/
|
|||
9 | 長拳 | 女子 | 貴田菜ノ花 | 兵庫県連盟 | 長拳 | 1位 |
剣術
|
2位 |
槍術
|
1位 | ||
10 | 太極拳 | 齋藤 優芽 | 岩手県連盟 | 太極拳 |
4位
|
太極剣
|
4位
|
/
|
/
|
|||
11 | C | 長拳 | 男子 | 高木 勇吹 | 愛知県連盟 |
長拳
|
2位 |
南刀
|
5位
|
/
|
/
|
|
12 | 安良城基睦 | 大阪府連盟 |
長拳
|
16位
|
剣術
|
4位
|
/
|
/
|
||||
13 | 女子 | 泉 更紗 | 兵庫県連盟 |
長拳
|
11位
|
剣術
|
3位 |
/
|
/
|
|||
14 | 小舩 愛賀 | 福岡県連盟 |
長拳
|
17位
|
/
|
/
|
槍術
|
5位
|
||||
15 | 役員・コーチ | 谷川 大 | 選手強化委員会 委員長 | |||||||||
16 | 前東 篤子 | 同 副委員長 | ||||||||||
17 | 孔 祥東 | 同 コーチ | ||||||||||
18 | 丹井 均 | 同 コーチ | ||||||||||
19 | 神庭 裕里 | 同 コーチ | ||||||||||
20 | 帯同審判員 | 三船 英 | 審判委員会 委員 |