第76回理事会・第46回通常総会を開催―2012年度事業計画案と予算案などを承認―

【掲載:2012年02月13日】

 

社団法人日本武術太極拳連盟は1月21日,東京・四谷の「主婦会館・プラザエフ」で第76回理事会および第46回通常総会を開催した。

理事会には日本連盟理事・監事計19人(委任状による出席2人)が出席,総会には理事・監事を始め,全国47都道府県の49加盟団体から正会員49人が出席した。理事会に先立ち常務理事会が,理事会・総会に続いて各ブロックによる第23回都道府県連盟代表者会議が開かれた。

結成25周年の今年さらなる発展を目指して
ジュニアと指導者の育成に力を注ぐ

 

第76回理事会は午前11時に開会,議長に岡﨑温常務理事,議事録署名人に奥村吉昭,高山守夫の両理事を選出した。

村岡久平副会長・専務理事が挨拶と2011年下半期の事業活動報告として次のように述べた。

「昨年3月の東日本大震災で被災された会員の方々に対する,全国の拳友から寄せられた厚情・義援金に深く感謝いたします。義援金約6900万円は日本連盟で取りまとめ,当該県連盟を通じて,原発事故をふくむ被災者の会員のもとに届けられましたことをあらためて報告します。皆様のご支援・ご協力ありがとうございました。

今年は日本連盟発足25周年を迎えます。全国都道府県で協力して盛り上げてまいりましょう。太極拳の発展に寄与してきた,太極拳技能検定事業は今年で18年目に入り,これを機に4段位・5段位の導入などで制度を更に拡充して,ステップ・アップをはかりたい。

国際大会では,昨年8月・上海で行われたアジアジュニア武術選手権大会で日本選手団はメダル獲得数で参加国・地域の中で2位,10月・トルコで行われた世界武術選手権大会では参加国中メダル数6位という好成績を残しました。ジュニア選手の育成・強化が順調に進んでいること,また日本選手の競技力が向上していることを実感しました。また,昨年10月には国際武術連盟(IWUF)の総会で役員改選に伴う,初の会長選挙が行われ,日本連盟始めアジア各国が推薦した中国の于再清氏が再選されました。一部の加盟国の中には中国のリーダーシップに対する意見もあるが,日本連盟としては,今後も地域間の団結と協調を図っていきたいと考えます。

また新公益法人への移行申請を昨年11月11日に正式に提出し,現在内閣府の公益認定等委員会において審査が行われているが,新年度には,公益社団法人として新たに出発する見通しです。また,連盟広報活動の柱である機関誌『武術太極拳』の誌面を今年1月号からA4判に拡大し,さらに内容を充実させていきたい」

専務理事報告に続いて,二階俊博会長が挨拶に立ち,「あけましておめでとうございます。日頃の皆さんのご協力に感謝します。今年も全国大会,国体,オリンピックと大きな行事がありますが,忘れてならないのは日中国交正常化40周年の年だということです。


第76回理事会の模様。プラザエフ会議室で

私は国交正常化30周年,35周年の時にも関わりましたが,40周年の記念行事を考えるときに,これまでと同じことではいけない。40周年を新たなスタートとして,地方と地方,都市と都市の交流の深化を図りたいと考えます。おおよその都市に中国との友好交流都市があり,代表団の行き来を行っているところもあれば,

名前だけの関係のところもある。太極拳の関係者として何か40周年記念として行える日中交流事業を考え,しっかり取り組みたい。皆さんのご協力をお願いします」と述べた。

太極拳技能検定4段・5段の新設など
活発な議案審議行われる

 

理事会議案として提出された,2012年度事業計画案の審議にあたり,石原泰彦理事・事務局長が事業計画案を説明し,渡辺敏雄総務部長が2012年度予算案について説明を行った。

事業計画案のなかで石原理事は「太極拳の普及および指導」として提示された「技能検定4段・5段」の新設ついて解説・説明を行った。本事案の理事会承認については上記巻頭記事を参照のこと。

 「公益社団法人への移行」については,渡辺総務部長が昨年11月11日に移行申請書類を所轄官庁の内閣府に正式に提出し,それ以降担当部署からの求めに応じて若干の修正を行ったこと,今年4月には「公益社団法人」として新たに出発する見通しであることを報告した。また,それに伴う諸手続きを行っていくことも合わせて報告した。

このほか,石原理事から,2012年9月・マカオで開かれる「第4回ジュニア武術選手権大会」から国際武術連盟が新たに編さんする「国際競技第三套路10種目」が年齢別A組に採用されること,ジュニア普及委員会第3回協議会を開いてこれを検討することなどが説明された。


総会で報告する村岡久平副会長・専務理事

村岡副会長から補足事項として,2020年の夏季オリンピックの開催地と競技種目は2013年9月のIOC総会で決定されるが,新たに追加される1競技種目が武術をはじめとする8つの候補競技種目から選ばれることになったこと,国際武術連盟(IWUF)の本部事務局は現在は北京にあるが,これをスイス・ローザンヌに移転する計画であること,来年には日本でスポーツ庁が発足するかもしれないこと,県体育協会加盟については47のうちの43都道府県連盟が加盟を果たしているが,今後は市区町村連盟の体育協会加盟を促進していくことなどが報告された。

理事会はこれらの議案を審議のうえ承認し,総会に提出することとした。

第46回総会に47都道府県連盟などから代表49人が出席
第23回代表者会議も開催

 

1月21日午後1時から開かれた第46回通常総会には日本連盟役員,全国都道府県連盟および学生連盟,散手倶楽部から代表49人とオブザーバーらあわせて75人が出席した。

議長に岡﨑温常務理事が,議事録署名人に奥村吉昭,高山守夫の両理事が選出された。

村岡久平副会長・専務理事が開会の挨拶と理事会同様の報告を行った。その中で,全国の都道府県連盟,市区町村連盟の体育協会加盟を引き続き進めていくことに言及し,「足元(地元)の基盤を強化しながらいっそうの発展を目指そう」と述べた。

石原泰彦理事・事務局長と渡辺敏雄総務部長が理事会と同様に,2012年度事業活動計画案と予算案の説明を行った。

各案件の審議のなかで石原事務局長が「太極拳技能検定4段・5段昇段規定案」の説明と提案を行うと,滋賀,鳥取,京都,三重,山口の各府県連盟代表から質問が出され,これに回答するなどの審議が活発に行われ,その後,満場一致で承認された。

予算案と,公益社団法人への移行認定申請の議案も同様に状況報告と提案趣旨の説明が行われ,審議のうえ満場一致で承認された。

その他の案件として石原事務局長が,2019年度以降の国体開催に関する「国体第2期競技団体基礎調査」回答依頼を日本連盟から各都道府県連盟に発信したことを報告した。

総会で承認された事業計画,主要事業日程,関連資料などは今号7~13頁に掲載した。

最後の大会となった「スポレクとちぎ」
今年10月「ねんりんピック」は宮城・仙台で

 

昨年11月5~6日,栃木県茂木町で開催された「スポレクエコとちぎ2011」大会を主管した栃木県連盟の高山守夫理事長が「24回の歴史を持つスポレクも昨年の栃木大会をもって終了しました。最後となったのは残念ですが,大会には34都道府県から233人という多くの方々が参加してくださいました。ありがとうございました」と挨拶があった。

昨年10月16日に熊本県山鹿町で開催された「ねんりんピックくまもと」の主管団体,熊本県連盟の岩元克雄理事長が,「参加された全国の皆さんに感謝いたします。ご協力ありがとうございました。仙台からの出場選手が,『心の中に灯がともったようで幸せな気持ちになりました』と言われことに感動しました」と挨拶した。

これに続いて,今年10月14日に宮城県で開かれる「ねんりんピック宮城・仙台2012」の主管団体である宮城県連盟の岡野範子さんが挨拶に立ち「東日本大震災義援金に深く感謝いたします。大会開催に向けて,宮城県・仙台市も私たちも皆で復興の足がかりにしたいと頑張っています。昨年10月30日には長く避難所となっていた会場でリハーサル大会を開くこともできました。会場は名勝松島に近いところですので,たくさんの方の参加をお待ちしています」と呼びかけた。

今年の国体は岐阜県で開催,武術太極拳競技は9月30日に北方町で開かれる。

第23回代表者会議でブロック会議と全体会議
全国7ブロックの事業計画などを報告


都道府県代表者会議の模様

総会に続いて,日本連盟,都道府県連盟の代表者らが出席して「第23回都道府県連盟代表者会議」が開かれ,議長に岡﨑温常務理事が選出された。全体会議の前にブロックごとに分かれた「ブロック会議」で,全国7ブロックそれぞれの新年度事業計画などを協議し,全体会議で報告した。

次回,第47回通常総会と第18回太極拳技能検定委員会全体会議は6月23日(土),東京・四谷の主婦会館プラザエフで開催される。

懇親会で新年を祝い なごやかに交流


新年会で乾杯する二階会長(中央)と森田実氏(左)

すべての日程が終了した後,プラザエフの会場で新年懇親会が開かれ,二階会長はじめ,会議出席者ら多数が参加して和やかに歓談し,今年1年の全会員の健闘を願って乾杯した。

乾杯の挨拶を加藤勝信日本連盟副会長が行い,来賓の中国大使館・薛せつ剣けん参事官が「今年は中日国交正常化40周年の節目の年です。これを機にさらに民間交流をすすめましょう。中国大使館,総領事館も協力させていただきます」と挨拶した。政治評論家の森田実さんも会場を訪れ,参加者と談笑した。


第76回理事会・第46回総会出席者

日本連盟=二階俊博会長,加藤勝信副会長,村岡久平副会長・専務理事,岡﨑温常務理事,石原泰彦理事・事務局長,川崎雅雄,友正慧,春木豊(委任状),奥村吉昭,高山守夫,大塚忠彦(委任状),大和久美代子,大沢藍未,谷甚四郎,辻本三郎丸,川島通正,前田修の各理事と有居晃,恩田享位の両監事。陪席=西村誠志審判委員会委員長,谷川大選手強化委員会委員長,渡辺敏雄総務部長,渡辺雅人事業部長


第46回総会出席者・第23回代表者会議出席者

北海道連盟=小平孝夫,小寺瑛子,青森県連盟=立石孝治,岩手県連盟=岩根節子,高橋セイ子,高橋喜子,川島潔子,宮城県連盟=岡野範子,鹿島眞理,秋田県連盟=田中紀代美,竹内キン,中田律子,山形県連盟=早坂ひで子,土屋直美,福島県連盟=遠藤淑子,石澤久芳,沼澤祐子,栃木県連盟=鈴木真理子,群馬県連盟=堀米秀夫,小山晶子,新潟県連盟=吉田功,長野県連盟=古平幸司,小林まさ子,茨城県連盟=野田博明,埼玉県連盟=佐々木浩,千葉県連盟=小原和子,林秀雄,東京都連盟=川端智子,岩田崇江,大塚かづ子,上島比都美,武田久,神奈川県=鈴木浩次,椎名功,山梨県連盟=渡辺豊美,薬袋文子,富山県連盟=按田忠重,石川県連盟=坂口志津子,福井県連盟=大西義幸,静岡県連盟=高橋かよ子,愛知県連盟=髙見一枝,三重県連盟=采野武朗,岩佐育代,岐阜県連盟=杉山哲,松原千恵,滋賀県連盟=初田茂,京都府連盟=渡部健一,大阪府連盟=中道由美子,兵庫県連盟=脇本和子,奈良県連盟=津田洋子,和歌山県連盟=津毛望,辻順三,鳥取県連盟=前田慶一郎,島根県連盟=西村敏,岡山県連盟=増田泰治,広島県連盟=坂本公子,山口県連盟=濱田宏,香川県連盟=圖子幸子,徳島県連盟=中西洋惠,萬藤武徳,愛媛県連盟=稲葉美子,高知県連盟=氏原史子,福岡県連盟=伊藤美貴子,佐賀県連盟=井手敬子,吉原和子,長崎県連盟=三浦義則,熊本県連盟=岩元克雄,中原隆夫,大分県連盟=千鳥安雄,宮崎県連盟=吉田和男,鹿児島県連盟=有馬勝博,春田牧子,沖縄県連盟=津波古保,学生連盟=増田勝,散手倶楽部=木本泰司


新年懇親会で。右から加藤副会長,薛剣参事官,村岡副会長