日本武術太極拳連盟 第80回理事会を開催 ―来年度主要事業日程・県連盟組織問題等を審議・承認―

【掲載：2012年11月15日】

公益社団法人日本武術太極拳連盟は10月24日午後，東京・四谷の主婦会館・プラザエフで第80回理事会を開催した。理事会には理事15人，監事2人の計17人が出席して，提出された各議案を審議し承認した。石原泰彦理事・事務局長の開会のあいさつに続いて，議長に岡﨑温常務理事が選任された。

議案の審議に入る前に専務理事報告として，村岡久平副会長・専務理事が今年6月23日の第78回理事会・第47回定時社員総会以降の日本連盟の国内外での活動と今年参加した国際競技大会，国際武術連盟の会合，オリンピックでの武術競技採用をめぐる動向などを報告・説明した。

なかでも，11月7日から中国安徽省黄山市で開かれる「第5回世界伝統武術フェスティバル」について，「このところ尖閣諸島領土問題で日中関係が良くない状況だが，中国のフェスティバル組織委員会が安全な大会遂行を保証し，日本代表団の出場を歓迎してくれることに感謝する。日本連盟と中国は関係が深い。この難局をどうにかして乗り越えよう」と話した。

理事会では来年度の「日本連盟主要事業日程」，長野県連盟組織問題，本部研修センター増設工事終了，4段位研修会，「太極拳世界選手権大会」の創設計画（国際武術連盟で検討中）などについての報告・説明・審議が以下の議事録のとおりに行われた。

 

第81回理事会・第48回定例総会は2013年1月19日（土），東京・四谷の主婦会館プラザエフで開催する。

 

日　時：2012年（平成24年）10月24日（水）
午後2時00分～3時00分

会　場：主婦会館「プラザエフ」（東京都千代田区六番町）4階会議室＜シャトレ＞

理事・監事総数：19名（理事17名・監事2名）

出席者数：17名（理事15名・監事2名）

出席者：村岡久平副会長・専務理事，岡﨑温常務理事，石原泰彦，大沢藍未，大和久美代子，奥村吉昭，川崎雅雄，川島通正，高山守夫，谷甚四郎，塚原加代子，辻本三郎丸，友正慧，春木豊，前田修の各理事，有居晃，恩田享位両監事。

なお，谷川大選手強化委員会委員長，西村誠志審判委員会委員長，矢島孝一郎ジュニア普及委員会委員長，渡辺敏雄総務部長，渡辺雅人，菅野淳子両事業部長が陪席した。

本日の理事会が定款第33条の規定により成立していることを確認し，二階俊博会長が欠席のため，議長に岡﨑温常務理事を選任した。次に報告および議案の審議に入った。

 

報　　告：

一，村岡久平副会長・専務理事が，6月に開催した前回理事会以降の事業活動等として，１）日中韓太極拳交流大会が中国・上海で開催され，日本，中国，韓国の太極拳愛好者約3000人が参加，日本から268人からなる代表団を派遣したこと，２）「第8回アジア武術選手権大会」及び「第4回世界ジュニア武術選手権大会」の2つの国際大会が開催されたが，今後選手強化活動がますます重要となってくること，３）今年度も太極拳初段・2段・3段検定が10月から12月まで全国81会場で実施されること，４）現在中国との関係は厳しいものとなっているが，11月7日から開催予定の第5回世界伝統武術フェスティバルには，14団体97人が参加する予定となっていること，について報告した。

二，谷川大選手強化委員会委員長，西村誠志審判委員会委員長，矢島孝一郎ジュニア普及委員会委員長，石原泰彦太極拳指導員委員会幹事，岡﨑温太極拳技能検定委員会委員長から各委員会活動報告について事前書面報告が行われた。

三，ブロック選出理事（北海道・東北ブロック＝奥村吉昭理事，北関東ブロック＝高山守夫理事，南関東ブロック＝大和久美代子理事，東海・北陸ブロック＝大沢藍未理事，近畿ブロック＝谷甚四郎理事，中国・四国ブロック＝川島通正理事，および九州・沖縄ブロック＝前田修理事）から，今年度のブロック活動状況について事前書面報告が行われた。

 

議　　案：

一，2012度の下半期事業活動について
各ブロック，および日本連盟各専門委員会の2012年度の下半期事業活動計画について事前書面報告が行われ，審議，承認した。

二，来年度の日本連盟，各専門委員会，及び各ブロック事業活動計画について
各ブロック，および日本連盟各専門委員会の2013年度の事業活動計画について事前書面報告が行われ，審議，承認した。

三，来年度の日本連盟主要事業日程承認の件
石原泰彦理事・事務局長が「2013年度（平成25年度）主要事業日程（仮）」により説明し，審議のうえ承認した。なお，来年度の日本連盟事業活動計画は2013年1月19日開催の第48回日本連盟定例総会に提案のうえ審議，承認の運びとなる。

四，県連組織問題の件
長野県連盟の組織問題に関して，本日午前中に，関係理事が長野県連盟会長，理事長に対して事情聴取を行ったことの報告が，村岡久平副会長・専務理事，石原泰彦理事・事務局長，川崎雅雄理事等からあり，その報告をふまえて審議の上，次の通り決議した。

 

＜公益社団法人日本武術太極拳連盟第80回理事会　長野県連盟問題に関する決議＞

長野県武術太極拳連盟の会長，理事長，事務局長が役員を兼任している長野市太極拳協会が長野市体育協会からの補助金を不正受給し，9月14日付けの信濃毎日新聞で報道された。不正受給は，長野県連盟の主催事業に関連して行われたものであった。

本日，長野県連盟会長，理事長を招請して，日本連盟関係役員7人による事情聴取会を開催した。聴取した内容を第80回理事会に報告して，対応を審議した。理事会の審議の結果，下記の通り決議し，同県連盟に告知することとなった。

１．過去２回にわたる不正受給を計画し，実行した同県連盟事務局長の辞任届が受理されたとの報告を受けているが，辞任受理は不適切であり，懲戒免職とすることが妥当と判断する。この日本連盟理事会の判断にたいして，長野県連盟理事会・総会が適切に対処することを求める。

２．本件はスポーツ団体として致命的な不祥事である。
本件にたいして，適切な対応をとってこなかった長野県連盟会長，理事長は，組織運営責任をとって辞任することが妥当と判断する。この日本連盟理事会の判断にたいして，長野県連盟理事会・総会が適切に対処することを求める。

３．長野県連盟はスポーツ団体として県連盟会員，愛好者のために，健全な活動を行うことができるように，人心を一新して組織運営を正し，組織運営体制を立て直すことが求められる。

日本連盟は，長野県連盟において今後このような事態が発生しないよう，引き続き推移を見守ることとする。

付記：なお，事情聴取会において，日本連盟役員が長野県連盟会長，理事長に不正受給問題の具体的な調査結果の報告を求めたが，十分な調査が行われていなかったことが判明した。同連盟会長，理事長にたいして，あらためて責任ある調査報告を行うよう求めた。

 

五，本部研修センター増設費用の件
石原泰彦理事・事務局長から，資料「本部研修センター増設に伴う費用一覧」により，工事費用の説明があり，本部研修センター増設工事終了の報告が行われた。

六，その他の報告事項

（１）4段位研修会の件
石原泰彦理事・事務局長が，2012年12月から4段位研修会が毎月東京と大阪で実施されるが，毎月実施は2013年4月までとし，受験者数を考慮して，2013年5月以降は，東京と大阪で交互に隔月実施とする予定であることを報告した。

（２）太極拳世界大会実施の件
村岡久平副会長・専務理事が，武術の中で一番普及している太極拳だけの世界大会の実施が国際武術連盟（ＩＷＵＦ）の執行委員会で検討されていることについて報告した。

本日の議事を以上で終了し，議長の岡﨑温常務理事が閉会を宣言した。