「老当益壮」<長拳検定>85歳で2級合格,76歳で1級合格
2015年度の「長拳1・2級技能検定」は,東京・大阪・盛岡・名古屋の4会場が終了し,3月の福岡会場を残すのみとなっている。今回の長拳検定で,有資格者の最高年齢が記録更新された。表題の「老当益壮」は高年齢になっても,なお(志や意気は)盛んになるべし,という故事だが,まさにこれを彷彿させるお二人にインタビューした。
お一人目は,長拳2級に合格された「原田徳子」さん(福井県在住)。名古屋会場での長拳技能検定試験を受けたときは,85歳になられていた。(以下,インタビュー質問<>と,回答「」)
<武術太極拳を始めたときの年齢と,きっかけを教えてください>
「友人に誘われ,71歳の時に太極拳を始めました。目標を持って取り組み続けた結果,2段まで取得することが出来ました。その頃に,長拳の講習会に参加する機会があり,太極拳とは違った楽しさ・爽快感を感じ,以後マイペースで続けています。」
<長拳の検定を受けようと思った理由を教えてください>
「楽しくて続けていましたが,少しずつ動けるようになって来ますと,だんだん自分の実力を試したい気持ちが湧いて来ました。自分の年齢を考えれば,1年1年を無駄に出来ませんし後悔したくなかったので,ダメもとで挑戦した結果,長拳2級に合格できました。」
<長拳(または太極拳)を習っていて良かったと思うことは何ですか?>
「長拳を始めてからは身体が軽く動くようになり,より元気になったことを実感しています。特に練習した翌日は気分爽快で,気持ちがいいです。」
<あなたにとって,「武術太極拳」とは?>
「まさに『生涯スポーツ』であることを,私自身心から感じています。」
お二人目は,長拳1級の長拳検定最高位に合格された「相原重信」さん76歳(東京都在住)。初級長拳の全套路(36動作)の試験をみごとにクリアした。
<武術太極拳を始めたときの年齢と,きっかけを教えてください>
「肥満体質だった70歳のころ,フィットネス倶楽部『カルナ』が主催する中田光紀先生の表演を見て感動。体験に参加し,自分の体力の低さを実感し大きなショックを受けたのがきっかけです。また,『弐虎壱カンフークラブ』に入会し,原田将司先生や中田光紀先生のお勧めもありまして。」
<長拳の検定を受けようと思った理由を教えてください>
「表演会・交流会などに参加し,目標を持つことによって中国武術に対するモチベーションが高まり,同じ思いで検定受験にトライしました。」
<長拳(または太極拳)を習っていて良かったと思うことは何ですか?>
「常に体調管理に気を配るようになり,自分の納得する体型・体調を維持できるようになりました。同時に,身体機能,特に柔軟性と脚筋力が向上しました。また,生活のリズムにメリハリがつき,人生が楽しくなりました。加えて,活動の場が広がり,同じ趣味の仲間が増えました。」
<あなたにとって,「武術太極拳」とは?>
「生きがいです。中国武術に出会えたことに感謝しています。子供の頃から運動が苦手でしたが,年齢を重ねても練習を積み重ねることにより,少しずつでも上達が実感できることがうれしく,励みになります。高齢化社会の中で,広く中国武術が浸透すれば,認知症や要介護の予防や改善にも役立つと思います。最後に2016年の目標として規定難度競技にも挑戦したいと思っています。後期高齢者の<星>をめざして!」