「2018年度冬季ジュニア強化合宿」を実施

日本連盟は昨年末、12月23~25日の3日間にわたり、東京・日本連盟トレーニングセンターで「2018年度冬季ジュニア強化合宿」を実施した。この事業は、公益財団法人日本オリンピック委員会選手強化NF事業として行われた。

今回の合宿には3つの年齢区分(A・B・C)のうちA・Bの男女ジュニア選手29人が参加した。また、日本連盟選手強化委員会から、前東篤子副委員長をはじめとする各コーチが指導にあたり、最終日にはアンチ・ドーピング/コンプライアンス講習も実施された。

2019年度のジュニアの全国大会は、4月20日・21日に京都府京都市の島津アリーナ京都で「第27回JOCジュニアオリンピックカップ武術太極拳大会」を開催予定。国際大会では「第10回アジアジュニア武術選手権大会」が8月にブルネイ・バンダルスリブガワンで開催予定である。ジュニア選手たちの活躍を期待する。

2018年度 冬季ジュニア強化合宿 参加者名簿

2018
年齢区分
性別種目氏 名所 属
1A男子長拳大野 莉玖千葉県
2稲垣 璃樹栃木県
3真茅 壱光大阪府
4松島 迅汰大阪府
5島田 隼颯大阪府
6鎌田慎ノ介北海道
7太極拳香取 尚弥神奈川県
8西口 直輝大阪府
9宮尾 宙尚新潟県
10女子長拳林  聖那埼玉県
11中村 里香千葉県
12古川 萌華岩手県
13近藤 凜奈大阪府
14太極拳磯野 水響千葉県
15毛塚 来美栃木県
16B男子長拳高山  蓮栃木県
17林  侑吾埼玉県
18髙木 勇吹愛知県
19安良城基睦大阪府
20中田 琉月大阪府
21太極拳樋ノ口大翔岩手県
22鬼追  元大阪府
23女子長拳泉  更紗兵庫県
24貴田 胡花兵庫県
25高谷 琴美大阪府
26森  香樹東京都
27望月野乃香静岡県
28太極拳森 風姫子岩手県
29胡  美羽兵庫県
30役員・コーチ前東 篤子選手強化委員会 副委員長
31孫  建明同 ヘッドコーチ
32孔  祥東ジュニア普及委員会
ジュニアヘッドコーチ
33李  自力選手強化委員会 コーチ
34丹井  均同 コーチ
35勝部 典子同 コーチ
36神庭 裕里同 コーチ

2018年度冬季ジュニア強化合宿レポート(選手強化委員会)

毎年年末に行われているジュニア強化合宿は、難度競技に繋がるジュニア選手の養成を大きな目的として実施している。シニアの国際大会では毎年状況に変化があり、中国選手と同等の難度をこなす国々の台頭が2018年は特に目立った。この国際情勢に日本の選手が追い付くためにはジュニア選手の育成が非常に重要であり、新時代の身体能力向上に向けた取り組みを進める必要を痛感している。

2019年JOCジュニアオリンピックカップ大会から国際大会に沿った新ルールが採用される。前大会では第三套路のみでの適用であったが、今後は全種目が採点の対象となる。ジュニア国際大会では、既に新ルールが採用され競技が行われている。強化委員会では新ルールに沿った訓練を進め成果を得ているが、国際大会での採点基準は厳しく更に訓練が必要である。合宿ではこれまで以上に、新ルールに対応した基本技術を全員で厳しく確認した。

また初の試みとして、全員で南拳と太極拳の体験練習を行った。長拳選手だけでなく、南拳、太極拳選手養成のきっかけ作りのため。南拳では特徴的な手型や手法、歩法を、太極拳では陳式の手法を用いた力の出し方や歩法を学び、動作それぞれの意味や用法を体験した。

今回の合宿参加者は29人のうち20人が長拳、9人が太極拳を地元で練習し、大会出場している選手。高校生が第三套路をこなすには、小中学生の間に武術の基本=長拳の訓練が不可欠。その上で適性に合った太極拳や南拳の技術を身に付ければ、国際大会で活躍する選手育成に繋がる。長拳選手が多いことはベースができている証明であるが、種目の選択には一考の余地があると考えての実施となった。1時間ずつの短い体験の中でも、実際に別種目の適性が見受けられる選手がいたり、多くの選手が興味を持って楽しく真剣に取り組んだ。地元の訓練でも適性を関連付けた選手養成を検討いただき、将来の成長に繋がるよう協力して長期的に進めていきたい。

国際大会を目指し、選手全員が高い意識をもって訓練に望む
国際大会を目指し、選手全員が高い意識をもって訓練に望む
初の試みで、全員で南拳と太極拳の体験練習を実施
初の試みで、全員で南拳と太極拳の体験練習を実施
将来の成長のため、適性を関連付けた選手養成を進める
将来の成長のため、適性を関連付けた選手養成を進める