「2019年度春季強化合宿」を実施
4月29日~5月4日 東京・日本連盟トレーニングセンター
今年も中国コーチに加え、マレーシアチームも参加し、総勢61人で合同合宿を実施
(公社)日本武術太極拳連盟は4月29日(月・祝)から5月4日(土・祝)の6日間、東京・日本連盟トレーニングセンターで春季強化合宿を実施した。この事業は、公益財団法人日本オリンピック委員会選手強化NF事業として行われた。
今回の合宿には、昨年と同様に中国コーチ陣だけでなく、国際交流の一環としてマレーシアチーム23人も参加し、選手・コーチ合わせて総勢61人が合同訓練を行った。
この春季強化合宿は、毎年開催される国際大会への出場を意識して訓練をしている。今年もプロチームであるマレーシアチームが参加したことにより、良い緊張感の中で訓練が実施された。
合宿最終日の5月4日には、参加選手およびコーチを対象に、(公財)日本アンチ・ドーピング機構(JADA)発行のテキスト資料や過去の事例などを挙げ、アンチ・ドーピング講習やコンプライアンス講習などを行った。
2019年度春季強化合宿 参加者名簿
No. | 種目 | 性別 | 氏名 | 所属 | 出身 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 太極拳 | 男子 | 荒谷 友碩 | 千葉県連盟 | 千葉県 |
2 | 蝦名 冬馬 | 東京都連盟 | 北海道 | ||
3 | 菊地 創士 | 青森県連盟 | 青森県 | ||
4 | 藤沢 佑 | 秋田県連盟 | 秋田県 | ||
5 | 村上 僚 | 東京都連盟 | 北海道 | ||
6 | 脇田 圭佑 | 新潟県連盟 | 新潟県 | ||
7 | 女子 | 齋藤 志保 | 岩手県連盟 | 岩手県 | |
8 | 庄司 理瀬 | 秋田県連盟 | 秋田県 | ||
9 | 平田 優花 | 埼玉県連盟 | 埼玉県 | ||
10 | 長拳 | 男子 | 大川 智矢 | 東京都連盟 | 北海道 |
11 | 小松 資 | 埼玉県連盟 | 愛知県 | ||
12 | 坂本 蓮 | 埼玉県連盟 | 埼玉県 | ||
13 | 別當 響 | 大阪府連盟 | 大阪府 | ||
14 | 松本 鷹仁 | 東京都連盟 | 北海道 | ||
15 | 三船 仁 | 福岡県連盟 | 福岡県 | ||
16 | 三船 陸 | 大阪府連盟 | 福岡県 | ||
17 | 村上 舜平 | 東京都連盟 | 北海道 | ||
18 | 女子 | 池内 佳奈 | 埼玉県連盟 | 埼玉県 | |
19 | 池内 理紗 | 埼玉県連盟 | 埼玉県 | ||
20 | 柏熊 結姫 | 東京都連盟 | 東京都 | ||
21 | 貴田菜ノ花 | 兵庫県連盟 | 兵庫県 | ||
22 | 本多 彩夏 | 東京都連盟 | 埼玉県 | ||
23 | 山口 啓子 | 東京都連盟 | 大阪府 | ||
24 | 南拳 | 男子 | 朝山 義隆 | 大阪府連盟 | 大阪府 |
25 | 近藤 稜真 | 大阪府連盟 | 京都府 | ||
26 | 毛利 亮太 | 大阪府連盟 | 福岡県 | ||
27 | 役員・コーチ(10) | 孔 祥東 | 選手強化委員会 委員長 | ||
28 | 前東 篤子 | 同 副委員長 | |||
29 | 孫 建明 | 同 ヘッドコーチ | |||
30 | 李 自力 | 同 コーチ | |||
31 | 丹井 均 | 同 コーチ | |||
32 | 勝部 典子 | 同 コーチ | |||
33 | 中田 光紀 | 同 コーチ | |||
34 | 内田 愛 | 同 コーチ | |||
35 | 関屋 賢大 | 同 コーチ | |||
36 | 市来崎大祐 | 同 コーチ | |||
37 | 中国代表団 | 厳 平 | 代表団コーチ | ||
38 | 呉 賢舉 | 同 コーチ | |||
39 | 庄 莹莹 | 同 コーチ | |||
40 | マレーシア 代表団 | 4人予定 | 代表団コーチ | ||
41 | 19人予定 | 選手 |
2019年度春季強化合宿 選手強化委員会レポート
ゴールデンウィークに合わせて、今年も強化合宿が実施された。強化指定選手の中から選抜された25人が参加し、7月に行われる第36回全日本選手権大会と10月に上海で開催される第15回世界選手権大会を目指した訓練を行った。
今回の世界選手権大会から新しい2019年ルールの運用が決まり、全日本選手権大会でも自選難度種目ではこの新しいルールを採用しての競技と代表選抜を行うことになった。これまで練習を積んできた難度や套路構成を見直す必要に迫られたが、それぞれの種目内容や難度が新しいルールに合うように検討、変更を合宿中に行い、今後に備えた態勢を整えることができた。合宿に選抜されなかった選手には、東西の強化訓練拠点から情報共有を行い強化コーチが対応して、全日本選手権出場に備える。
合宿には昨年に続き、海外からマレーシアチームの選手19人と指導者4人という大勢を迎え、総勢60人を超える合同合宿となった。マレーシアチームはプロのチームであり、帰国後に行われる代表選考会を目標に、新しいルールに対応済みのかなり仕上げた状態で臨んで来ていた。日本チームも目指すところは同じ、上海での世界選手権大会での活躍。マレーシアチームの参加は日本チームへの大きな刺激となり、ライバルとして技術を高め合う貴重な機会となった。
2003年に始まった自選難度競技への取り組みから十数年が過ぎた。その間に選手の身体能力が大きく進歩し、世界中の多くのプロ態勢の国々はC難度の完成度をあげて確実に中国に近付いている。日本チームも、かつては夢のようにしか思えなかったC難度に男子選手は手が届くようになり、女子選手もB難度にチャレンジできるほど、アマチュアながらも着実に成長して来た。今回中国から招請した3人のコーチは、これまでも日本チームの指導に関わって来た理解がある方々で、数日間の短い期間ながら、各選手への細かいサポートと多大なご尽力をいただいた。特に難度の訓練に至る、新しい基本的な訓練方法を丁寧に厳しく指導いただき、日本チームで実直に訓練を続けてレベルアップに繋げたい。
2019年ルールでは規格の要求が増え、A組の規格減点が厳しくなると予想される。新ルールが採用されて以来、見過ごされてきた観がある基本的な武術動作が、改めて重要な採点基準になる。新しいルールに適応して規格をしっかり見直し、難度を確実にし、減点をなくして全種目でのノーミスを目指すこと。これまで同様の方針であるが、内容が細かくかつ新しくなる。今回学んだ技術に基づき、これまで以上に向上心を持ち、アマチュアとしての一流を目指して全員で進んで行きたい。
また競技ルールだけでなく、今年度から強化指定選手規程が新しく整備される。技術面だけではなく、果たすべき社会的責任についても学びながら、アンチドーピング、コンプライアンス等の遵守の態度を身に付けるべく、強化指定選手としての意識啓発を行っていく。実りある合宿が実施できたことを関係の皆様に感謝申し上げたい。