輝け!武術太極拳アスリート ~朝山義隆選手・藤沢佑選手~

〜強化指定選手紹介〜

日本武術太極拳連盟・選手強化委員会が認定する強化指定選手の活動や競技に向けた想いなどをご紹介します。

武術太極拳・自選難度競技の朝山義隆選手

活動について

武術太極拳・自選難度競技の朝山義隆です。

普段は武術の競技練習に励みながら、パーソナルトレーナーとしても活動しています。

仕事と武術の両立

パーソナルトレーナーと聞くとまだまだ馴染みのない職業かと思います。私たちパーソナルトレーナーは運動指導者であり、運動において身体を包括的に分析し、改善していくサポートをしていくことが仕事です。

大学生の頃、自身の競技力向上のためにトレーニングやケアについての勉強を独学で始めました。多くのセミナーや講習会にも参加していくなどしていく中で、自分の知識を体系化させていきパーソナルトレーナーとしての活動を始めました。フィットネスクラブでの活動から始まり、多くのご縁と自分の担当コーチでもある日本連盟強化コーチの後押しもあり、現在では独立して大阪市北区に自分のパーソナルトレーニングジムを構えることができています。

独立するにあたり気になったのは、競技選手を続ける環境にあるかどうかです。今では週に4~5日の競技練習に加え、トレーニングの時間も多く確保でき、大変満足のいく環境で仕事と競技の両立ができています。

将来的には武術選手の身体づくりやケアの部分で関わることができれば嬉しく思います。武術太極拳にも他のスポーツと同様、この分野のプロフェッショナルが必要だと感じており、今後競技スポーツとして発展していくなかで、外すことができない分野になることは間違いありません。

武術太極拳の魅力について

「太極拳」は日本国内でも生涯スポーツとしての人気を得ており、世間でもよく名前を耳にするようになりましたが、武術太極拳という競技スポーツは、日本ではまだまだ多くの人に知られていないのが現状です。SNSが老若男女に身近な存在となり、選手たちもそのような媒体を利用しての普及活動にも積極的に力を入れていますし、興味のきっかけになると思います。競技としての武術太極拳の魅力は本当にたくさんありますが、やはりまずは実際に見てその迫力を身近で感じてもらいたいというのが選手をしている自分の素直な気持ちです。7月には岡山県での全日本選手権、さらに来年2020年には、東京で武術太極拳世界杯という国際大会が開催されます。日本での国際大会は非常に珍しく、世界のトップ選手の演武を生で見られる機会はそうそうありません。ぜひ岡山、東京の会場へと足を運び、武術太極拳・自選難度競技の魅力を目で見て感じていただけたらと思います。

競技選手として1人でも多くの方に武術太極拳の魅力をお伝えできるよう、さらにはトレーナーとして1人でも多くの選手の競技力向上に繋がるよう、微力ながら貢献していきたいと思います。今後とも武術太極拳の応援をよろしくお願いいたします。

朝山 義隆 ASAYAMA Yoshitaka
1994/8/26生 大阪府出身
所属:大阪府武術太極拳連盟
職業:パーソナルトレーナー
主な競技成績:
■ 第1回世界大学生武術選手権大会 男子南棍第1位
■ 第29回ユニバーシアード競技大会(2017/台北)
  武術競技 男子南拳・南棍総合第3位
■ 2014・2016 全日本武術太極拳選手権大会
  男子南拳第1位
■ 第19回JOCジュニアオリンピックカップ
  武術太極拳大会 最優秀選手賞
ユニバーシアードでのメダル獲得は大学でも大きく紹介された

ユニバーシアードでのメダル獲得は大学でも大きく紹介された

 

強化指定選手紹介 藤沢佑選手

武術太極拳に対する想い

教員になって4年。

胸を張れるような成績がなく、武術を仕事にしているわけでもない。優秀な選手がたくさんいる中で僕がお伝えできることは多くはないですが、武術選手 兼小学5年生担任として、僕にしか伝えられない事を考えました。

僕は9歳の時に地元秋田で武術を始めました。最初は年の近い仲間達が何十人もいて、武術はともかく、練習前にみんなで遊んだり、練習後にお菓子を食べたりするのが楽しみで仕方がありませんでした。

しかし、次第に仲間達が他のスポーツや習い事を始めると、一人、また一人と辞めていき、ついに中学生になる頃には当時のメンバーは僕一人だけしか残っていませんでした。

そして学校でも、自分がやっている武術に注目してもらえる事はほとんどありませんでした。

いつしか勝手に孤独を感じるようになった僕でしたが、そんな僕を繋ぎとめてくれたのは、秋田武術隊や、全国の仲間達、そしてコーチ達でした。東北ジュニア合宿や、JOC、全日本大会に行く毎に顔を知り、名前を知り、「ライバル」と感じる仲間達ができました。するといつしか、孤独な思いは消え、「武術って楽しい!」さらには「勝ちたい!」という気持ちに変わっていきました。

そして今、その思いはもっと強くなっています。強化選手として、全日本大会の目標は、もちろん優勝し、日本代表になる事です。

でも現実、そう上手くはいきません。それは自分が一番よく分かっているし、葛藤の毎日を過ごしています。平日は仕事のため、強化練習に行く事は難しく、学校の体育館でトレーニングさせてもらったり、帰宅後に筋トレしたりして何とかカバーし、休日の強化練習に参加させてもらい、大会に出場しています。

でも、僕が特別なのではありません。たくさんの選手が同じように仕事や学業と向き合い、日々の生活に食らいつきながら夢に向かって努力しています。

大会ではそんな選手一人一人の想いを感じて応援をして頂けたら嬉しいです。

武術太極拳を学校教育に取り入れるために、体育を研究し

武術太極拳を学校教育に取り入れるために、体育を研究し

せんせいとして、そして武術選手として

きっとこれを読んで下さっている方や、学校の中には当時の僕のように、孤独にたたかっている人がいると思います。

僕は、そんな全ての子ども達にも光を浴びてほしいと思っています。「いつか叶えてやる」と夢を諦めず、好きな事をやり続ける勇気をもってほしいです。

せんせいとして、そして武術選手として、僕にしかできない事を考え、これからも夢に向かって取り組んでいきます。

藤沢 佑 FUJISAWA Yu
1992/7/19生 秋田県出身
所属:秋田県武術太極拳連盟
職業:小学校教諭3年目
現在小学5年生担任
主な競技成績:
■ 2016年第33回全日本武術太極拳選手権大会
  自選難度太極剣 優勝
■ 2013年ワールドゲームズ・カリ大会
  男子太極拳総合 第4位