長年、日本女子長拳を牽引してきた、山口啓子選手が引退

山口啓子選手引退

輝かしい現役生活を彩る思い出の数々

皆さんこんにちは。

自選難度、女子長拳の山口啓子です。

この度、私、山口啓子は自選難度の現役選手を引退することになりました。

今回はとても有難いことにこのような場を設けてくださいました。

私は、今年11月に東京の両国国技館で開催予定だったワールドカップの日本代表であり、その大会を集大成にと考えておりましたが、新型コロナウイルスの影響で今年の開催が困難になり、2年後の2022年に延期が決まりました。

競技選手続行を2年後までは考えていなかったので、これからの先の人生を考え、選手人生24年間に区切りをつけ、次に進もうと今回引退を決意しました。

6歳から、カンフーアクション好きの父の影響で、武術を始め、片親で生活も苦しい中、武術だけは辞めさせずに続けさせてくれた父のお陰で、普通では経験できないであろう、沢山の経験をすることができました。

目標であった、世界の場で金メダル獲得が達成できなかったこと、何より、自国開催のワールドカップで、応援してくださっている方々に自分の姿を見ていただくことができないこと、とても残念に思います。

ですが私自身、選手として、一年一年、毎年毎回の大会に全力で取り組めて、沢山のことを学び一生懸命打ち込むことができたと思いますので後悔はありません。

それもこれも、家族、先生、仲間、そして応援し支えてくださった沢山の方々のお陰です。

ありがとうございました。

今はこれからの次の人生へのワクワクと、少し肩 の荷も下りた気がして、スッキリしています。

私は、武術を通し、沢山の方々に出会えて、沢山の方々に応援してもらって、本当に幸せでした。

今世界中がこのような状況になってしまい、東京オリンピックや様々な大会が中止・延期され、行き場をなくしてしまったり、私と同じように引退をされたアスリートの方々もおそらく沢山いらっしゃると思います。

そして今もそうですが、今まであった当たり前のことが当たり前ではなくなり、日常にありがたみを感じる日々です。

少しでも前を向いて、武術太極拳が愛好者の皆様や子どもたちの日々の生きがいになってくれたら良いなと思っています。

最後に、この場をお借りし、心から感謝の意を表したいと思います。

本当にありがとうございました。

大変恐縮ですが、この場でのご報告とさせていただきます。

日本の武術のさらなる発展と、皆様方のご健康を心よりお祈り申し上げます。

山口啓子 

主な競技成績:
■ 全日本武術太極拳競技大会 自選難度競技 9 回優勝
■ 2005年アジアジュニア選手権大会 銀メダル
■ 2009年第10回世界武術選手権大会 銀メダル
■ 2013年東アジア競技大会 銀メダル
■ 2013年第12回世界武術選手権大会 銅メダル
■ 2016年アジア武術選手権大会 銀メダル
■ 2017年第14回世界武術選手権大会 銀メダル・銅メダル
■ 2018年アジア競技大会 第5 位
■ 2018年ワールドカップ 銅メダル
表彰:
■ 2010年・2014年・2017年・2018年
 文部科学省「国際競技大会 優秀者表彰」受章