輝け!武術太極拳アスリート ~レジェンド選手紹介/中田光紀~
日本武術太極拳連盟・歴代日本代表選手の現役時代や今の活動、競技に向けた想いなどをご紹介します。
武術太極拳との出会い
武術太極拳に出会ったのは高校に入学する頃、当時はジャッキー・チェンやジェット・リーに強い憧れを抱き、カッコよく、強くなりたいと思いカンフー教室に通い始めました。
始めてすぐに練習は週5回、週末は朝から晩まで練習に没頭していました。
訓練開始から1年でJOCジュニアオリンピックカップに出場、そこで日本代表選手に選出され、ベトナムでのアジアジュニア大会に出場し、銅メダルを獲得しました。
この1年程の間に自身を取り巻く環境がめまぐるしく変化し、たくさんの人に評価してもらえたこと、今までにない経験を積めたことが、自分の自信に繋がり、更に武術太極拳にのめり込む要因となりました。
そこから30歳で引退するまでの15年間、武術太極拳競技の第一線で世界と戦ってきました。
日本代表南拳選手として
選手として走り続けてきた15年、初めは世界チャンピオンになりたい一心で練習に取り組み、世界の強豪選手達と戦えることに喜びを覚え、勝ち取りたいという強い思いを糧に身を削って頑張ってきました。
その中で選手としての苦悩や怪我、挫折や栄光を繰り返す中、個人種目ですが一人ではないことを強く感じ、仲間や友人、家族、コーチや生徒達、サポートしてくださる方々など周りの人達が支えてくださる現状に感謝の気持ちを強く抱くようになりました。自分自身のためだけに頑張ってきた武術から、応援、期待してくださる人のため、日本の南拳の未来のためと想い使命感を持つようになりました。
もちろん使命感だけではなく自身の想いや、応援してくださる人達の想いを乗せて、日の丸を背負い演武できることを常に幸せに感じながら選手生活を続けていく事ができました。仲間や環境にも恵まれ本当に良い選手生活を送れたと思います。
引退する2年程前から、現在現役で活躍している朝山選手、毛利選手が頭角を現しはじめ、二人の存在を見て選手としてのバトンを渡す時が来たと思い、潔く引退することもできました。今は二人が世界の舞台で大活躍してくれることを誰よりも楽しみにしています。
現在の活動
現在は指導者として弐虎壱カンフークラブ、蕨ドラゴンキッズで選手育成、指導する傍ら、保育園での授業としてのカンフー体育指導、太極拳教室での太極拳講師、日本連盟では指導員試験や検定試験の試験官、全国大会での審判業務、選手強化委員会では強化コーチとしての仕事にも携わらせていただいております。
今まで培ってきた経験を生かしつつも新しい知識をインプットし、武術太極拳の次の世代の子供達へ良い影響、経験を与えられる存在でありたいと活動しています。
最後に
私が訓練してきた南拳は日本では太極拳、長拳と比べると決して競技人口が多い種目ではありませんが、徐々に選手も増加傾向にあります。歴代の南拳選手の皆さんは熱い思いで南拳を次の世代へと繋いでくれています。
今は亡き南拳の先人、高浦先生、平井先生が私に繋いでくれたバトンを私も後輩や次の世代に繋いでいけるよう精進していきたいと思います。
1984/6/25生 大阪府出身
所属:東京都武術太極拳連盟
主な競技成績・表彰:
■ 2003年~2014年
全日本武術太極拳選手権大会 14度の金メダル獲得
■ 2001年 アジアジュニア選手権(ベトナム)南拳 銅メダル
■ 2003年 世界武術選手権大会(マカオ)南棍 5位入賞
■ 2008年 北京オリンピック武術トーナメント4位入賞
■ 2008年 World Tre-X Game(韓国)南拳 銀メダル
■ 2009年 世界武術選手権大会(カナダ)南刀 金メダル
■ 2009年 ワールドゲーム(台湾)南拳総合 4位入賞
■ 2009年 第5回東アジア競技大会(中国香港)南拳総合 銅メダル
■ 2010年 アジア競技大会(中国広州)南拳総合 7位入賞
■ 2010年 世界格闘技大会(中国北京)南拳総合 6位入賞
■ 2011年 世界武術選手権大会(トルコ)南棍 銅メダル
■ 2013年 東アジア競技大会(中国天津)南拳総合 6位入賞
■ 2013年 世界武術選手権大会(マレーシア)南拳 銀メダル
■ 2014年 アジア競技大会(韓国)南拳総合9位
■ 2002年 大阪スポーツ賞
■ 2004年 大阪スポーツ賞
■ 2008年 葛飾区文化・芸術・スポーツ功労賞
■ 2010年 足立区スポーツ栄誉賞
■ 2010年 文部科学省スポーツ功労者顕彰
■ 2014年 文部科学省国際競技大会優秀者表彰