輝け!武術太極拳アスリート ~レジェンド選手紹介/渡邉 俊哉~
皆さんこんにちは。
この度、お話しする機会をいただきました渡邉俊哉と申します。
読んでいただく事で、数分でもコロナ禍の不安が和らぐと幸いです。
武術太極拳との出会い、想い
両親が通っていた太極拳教室へ体験しに行ったのが中学生の頃。その後、交通事故のリハビリのため、その教室へ通い始め、ストレッチを主に取り組みました。
未だ感覚のない部位もありますが、もう一度自分の足で歩けるようになりたいという希望が太極拳を通じて達成できました。
リハビリのために始めた太極拳でしたが、メディア等で始めたきっかけを知っていただく機会があり、愛好者以外の方々からも「励みになります!」とのお便りをいただいた事は今でも自身への励みになっています。
選手としての思い出
大会に出場するようになり、準備運動で壁を使った圧腿を取り入れていくようになりました。最初は壁に踵を置く事が出来ず、脚がズルズルと壁をつたって下がっていました。レッスンバーや肋木がある施設では迷わずその器具を使っていた事を思い出します。
そんな事を生徒さんに話すと「私達と一緒だったんですね〜」と喜んで? もらえています。
ウォーミングアップですが、
初めて大会に出た当時は、試合前に動くと疲れちゃうじゃないですか? 余分な体力を使いたくなかった、というか体力がなかったので「本番で全力出す!!」という感じで、アップしていませんでした。それで、他所の人を見たら動いているし、「あぁ〜…ウォーミングアップしても疲れない体力付けないとなぁ。今度からがんばろー。」と取り組んでいくうちにウォーミングアップの大切さを知りました。
国内で初優勝した時は嬉し恥ずかしさと、「あかん…まだ何にも出来てへん…套路の動作名称も、ちゃんと知らんし…1位らしくないわ…」と痛感し反省しました。
なので帰ってから直ぐに動作名称を覚える事から始め、なりたい人物像に近づくために気持ちを新たにスタートしました。
その後の選手生活は、限られた時間の中、毎回の大会でその都度の集大成を発揮しなければいけないと言う思いでした。
気持ちは焦る、動作は納得出来る仕上がりでない。それでもどうにかするのが選手とも思っていました。
指導者になってからは、始めたきっかけから「要求通り出来なくても達成出来なくても、日常生活以上に動けるようになると自信を持つ事ができる。そうすると生活の質は変わる。少しの頑張りで上達していく楽しみ方がある。」との思いで普及に取り組んでいます。
勝負飯や大会前のルーティーンなど
選手時代は、試合期間はバナナの摂取量が多く、国際大会に行けば現地でバナナと水の確保をしていた思い出があります。
「食事に気を遣われていますか?」と良く質問を受け、「はい! 気をつけています!」なんて言っていましたが、ここだけの話、ご飯よりデザートばかり食べてました。
ルーティーンですが、表演服は着た瞬間が肌に気持ち良いので出番直前まで表演服に着替えない、着替えても直ぐに表演服のファスナーを上げない、もしくは第一ボタンは掛けない、気持ち良いままコートに入る。が私の試合当日のルーティーンでした。
現在の活動、展望について
普及活動として努めている事は、地域の方々の生活にスポーツ活動があり、スポーツを通じて健康的に過ごせる生活を実現する事。
そこに太極拳が術として貢献できるよう、誠心誠意努めてまいります。
愛好者の皆様へ
私も同じ思いを経験している事なのですが、教室活動をしていると長く取り組んでいる生徒さんから「今更なんですが聞いても良いですか?」という質問が時々あります。
皆さんには「今更聞きづらい」という質問はありませんか? 自身で答えは出ていても答え合わせしたい気持ちのまま過ごしていませんか?
「聞いておけば良かった…orz」とならない様、今更と思わず先生に尋ねてみては如何でしょうか! ちなみにorzってなに??ってなった方は私に聞いてください。
後輩や子どもたちへ
私は今日まで沢山の方々に支えられてきています。皆さんもそうだと思います。その有難味は後々になってどんどん解ってきます。
私もそうですが、いつまでも感謝の気持ちを持ち続けて、いつか誰かに 寄り添って 応援して 力になれる輪を繋いでいって欲しいと思います。
小学生、中学生、高校生、大学生、社会人と分岐点がある中で、好きなお稽古事とどの時点で出会うか分かりません。出会えたなら悔いのないように取り組んで欲しいと思います。
差し出がましいとは思いますが、お稽古事は特に小中学生のお子様たちには、保護者の応援が必要不可欠です。希望に満ちた思いに温かいご支援をお願い致します。
最後に、このような機会をいただきました事に改めて感謝致します。
1974/3/23生 大阪府出身
所属:大阪府武術太極拳連盟
主な競技成績 <国際大会>:
■ 2003年 第7回世界武術選手権大会 太極剣優勝 太極拳2位
■ 2002年 第14回アジア競技大会 2種総合4位
■ 2001年 第6回世界武術選手権大会 太極拳2位 太極剣2位
■ 2001年 第3回東アジア競技大会 太極拳3位
■ 2000年 第5回アジア武術選手権大会
太極剣優勝、太極拳3位、2種総合2位
■ 1999年 第5回世界武術選手権大会 太極拳3位
■ 1998年 第13回アジア競技大会 太極拳2位
■ 1997年 第4回世界武術選手権大会 太極拳3位
■ 1997年 第2回東アジア競技大会 太極拳2位
■ 1996年 第4回アジア武術選手権大会 太極拳4位
■ 1995年 第3回世界武術選手権大会 太極拳2位
主な競技成績<国内大会>:
■ 全日本武術太極拳選手権大会
1995年~2009年 太極拳15年間優勝
主な表彰など:
■ 国際太極拳文化伝播大使
■ 大阪府泉南郡熊取町「くまとり親善大使 くまとりスポーツ大使」
■ 2004年 文部科学省「スポーツ功労者顕彰」
■ 2004年 文部科学省「国際競技大会優秀者賞」
■ 2019年 文部科学省「生涯スポーツ功労者賞」